高校野球の楽しみのひとつ
いよいよ19日に開幕する第89回選抜高校野球大会。高校野球シーズンになると気になるのが、「○○2世」や「(地名)の○○」などと言った、選手に付けられる“異名”だ。
これらには何も根拠はないのだが、その地区を代表する選手であったり、似ているそれっぽい大物選手に例えて勝手にあだ名のようにつけるというのが恒例になっている。
近年多いのが「○○のダルビッシュ」。高身長でリーチの長い本格派エースはなにかとダルビッシュに例えられ、もはや“ご当地ダルビッシュ”状態となっていた時期もあったほどだ。
打者であれば、左のパワーヒッターは「ゴジラ2世」や「浪速のゴジラ」となり、少しぽっちゃり気味の強打者は西武の中村剛也にちなんで「~~のおかわり君」など。どの選手がどんな風に形容されるのか、これも高校野球を見るうえでのひとつの楽しみとなりつつある。
イメージを掴むのには最適?
ただし、選手たちの中にはイメージが先行してしまうことをよく思わない選手もいる。
高校時代に「○○2世」と呼ばれたあるOBは、「大迷惑だった」と振り返る。なんと、その例えられた選手は憧れでも何でもなく、むしろ「どちらかと言えば好きじゃない」選手だったというのだ。
しかし、そうした“異名”がつくというのも注目されている証であり、見ている側としてもどんな選手なのかイメージはつきやすい。たとえ本人が違和感を覚えていたとしても、少なくとも速球派なのか技巧派なのか、パワーヒッターなのかアベレージヒッターなのかといった大まかな部分に関しては、とても掴みやすくなる。
果たして、いよいよ始まる2017年の高校野球シーズン。早実の清宮幸太郎を筆頭に、打者の有望株が多いと言われる今年は、高校球界でどんな“異名”が流行するのか。今から楽しみだ。