三塁の守備で苦戦
長年、阪神の遊撃のレギュラーとして活躍した鳥谷敬が、本来の姿を見せられずにいる。
20日にZOZOマリンで行われたロッテとのオープン戦に、『7番・三塁』で先発出場した鳥谷は3回、二死三塁から井口資仁が放った打球を処理し、一塁へ送球するもワンバウンド。一塁の原口文仁が捕球できずに失点に繋がった。記録には残らなかったものの、4回一死走者なしで、ダフィーが放ったなんでもない三塁線のゴロを内野安打にしてしまった。
金本知憲監督は試合後、記者団から鳥谷の守備について問われ「それ、どういえやいいの?」とやや怒り気味に返答した。
打撃にも影響
キャンプから遊撃一本で挑んだ鳥谷だったが、若手有望株の北條史也が起用されることが濃厚で、慣れ親しんだ定位置から別のポジションでレギュラーを奪いにいかなければならない立場となった。
オープン戦が始まってからは二塁で起用されていた鳥谷だったが、二塁のレギュラーを目指す上本博紀は途中出場した11日の西武戦で3安打放つなど、オープン戦の打率.444(27-12)と好調を維持。
上本の状態が良いことで、3月12日の巨人戦以降は三塁のポジションで出場が続く。ただ、三塁のポジションに入ってから打撃面で精彩を欠く印象だ。
【二塁】
4試 率.333(9-3) 本0 点0
【三塁】
7試 率.062(16-1) 本0 点0
【遊撃】
1試 率.500(2-1) 本0 点2
二塁で出場した4試合、遊撃で出場した1試合をあわせると、打率.364、2打点を記録しているが、三塁での出場時の成績は打率.062(16-1)と一気に数字が落ちる。特に三塁初出場となった3月12日の巨人戦以降、17打席連続無安打で、20日のロッテ戦が三塁出場後の初安打だった。
ライバル不在だった三塁だが、ルーキーの糸原健斗が存在感をみせる。二塁や三塁を守る糸原は、開幕戦が行われるマツダスタジアムでプレーしたことがないため、21日に同球場で行われる二軍戦に出場する予定。新人ながらもオープン戦では、打率は.333(27-9)とアピールしており、マツダで問題なくプレーできれば、開幕戦出場の可能性も十分に考えられる。
長年、チームを引っ張ってきた鳥谷は若手、中堅の台頭で厳しい立場になりつつある。この状況を打破し、今季もレギュラーで活躍することができるだろうか…。オープン戦、残り5試合できっちりと結果を残したいところだ。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)