練習試合での大爆発が一転…
森繁和新体制の下、最下位からの巻き返しを目指す中日。2月は充実した春季キャンプを送り、練習試合でも連勝街道を突き進んでいたが、オープン戦では投打ともに精彩を欠き、ここまで4勝10敗1分け(12球団中11位)と苦しんでいる。
「まだオープン戦」と開き直りたいところだが、さすがにナゴヤドームでの6戦未勝利(5敗1分)はまずい。0-0で引き分けた18日のオリックス戦以降は3戦連続で2得点以下。特に打線の繋がりが悪い。
ただし個々の成績を見ると、そこまで悲観する内容ではない。新外国人のアレックス・ゲレーロは、オープン戦打率こそ.231だが、出塁率は.392。選球眼に期待できる点は明るい材料だ。20日の日本ハム戦で3番に入った大島洋平は、規定打席未到達ながら打率.424と好調。同じ試合に「7番・左翼」で先発した遠藤一星は、2安打1四球で3出塁を記録し、オープン戦5つ目となる盗塁も決めた。
一方で気がかりなのが、22年目の大ベテラン・荒木雅博だ。オープン戦では多くの試合で「2番・二塁」でスタメン出場しているが、打率.194、出塁率.242と状態が上がってこない。それでも若手に目を向けると、成長株の溝脇隼人が打率.462、移籍3年目の亀沢恭平も同.313と打撃好調。さらに、20日の試合では二塁が本職の石川駿が本塁打を放つなど、若手のアピール合戦は継続中だ。
2000安打まで残り39本の荒木が復調すればベストだが、このままの状態では開幕二塁の座は厳しい。そうなれば、上位打線の並びも変わりそうだ。
現時点で得点力不足に苦しんでいる中日だが、インフルエンザで離脱していたダヤン・ビシエド、WBC参戦中の平田良介が中軸に据われば雰囲気は変わる。そうなれば出塁能力が高く、前を打つことが予想され大島、ゲレーロがさらに活き、理想形を示した2月下旬(練習試合)の打線爆発の再現にも期待が持てる。
だからこそ、より2番打者のチョイスに重要になる。偉業達成を目指す荒木か、外野転向で再生した遠藤か、それとも伸び盛りの若手を抜擢するか――。森監督ら首脳陣の決断が、開幕ダッシュの成否を左右しそうだ。