例年になく熾烈な先発争い
オープン戦、勝率1位を決めたロッテの投手陣が好調だ。オープン戦のチーム防御率は1.51と12球団トップを誇る。
特に先発ローテーション争いは例年になくレベルが高い。開幕投手内定の涌井秀章、日本代表としてWBCを戦った石川歩の2枚看板に加え、スタンリッジ、唐川侑己、西野勇士、大嶺祐太、二木康太、酒居知史、関谷亮太など候補者が多い。
スタンリッジはキャンプの合流が2月23日と、調整の遅れが心配されたが、先発した3月20日の阪神戦では、テンポの良い投球で5回を1失点に抑えた。伊東監督は「内野ゴロが多いということは、ボールが動いている。自分の投球ができたと思います」と評価。
英二投手コーチも「投げているボールはそんなに悪くない。ストライク率をあげてゾーンで勝負できるようになると思う」とし、ローテーション入りについても「助っ人ですからね」とほぼ確定的であることを明言した。
昨季6勝を挙げ復活の兆しをみせる唐川侑己も、オープン戦2試合に登板し、8回1/3を投げて無失点と好投を続けており、こちらもほぼ開幕ローテ入りで間違いないだろう。
伊東監督の評価が厳しかった佐々木と西野
好成績を残しながらも、投球内容が不安定ということもあり、開幕先発入りが保留となっている投手もいる。ドラフト1位ルーキーの佐々木千隼がその一人だ。22日の中日戦に先発し、6回1/3を1失点に抑えるなど、オープン戦の防御率は12球団トップの0.59を記録する。数字だけ見れば、即戦力ルーキーに相応しいように見える。
長年プロ野球界で多くの投手をみてきた伊東監督の眼は厳しい。「抑えたいえば、抑えたけれど、ちょっとボールのバラつきがあった。ストライクとボールがはっきりしていた。微妙なところですね」と22日の中日戦の投球内容に不満気。「確定は出せない」とひとまず保留となった。
23日のDeNA戦に先発した西野勇士は6回3失点と最低限の仕事を果たしたが、伊東監督は「西野がピリッとしないですね。きのう(開幕ローテ)確定、みたいことを言ったけど、ちょっと内容的にはきびしいですね」とバッサリ。
つづけて伊東監督は「初回から首をひねったり、ああいうことは許されない。守っている野手にも影響しますから。悪くても、ああいう姿を出さないようにしないと。調整不足という言葉で片付けたくないですね。実戦はきょうが最後。最後がああいうようでは、もうひとつでしょ」と納得がいかない様子だった。
大嶺祐は高評価
そんな中、評価を高めているのがプロ11年目の大嶺祐太。15年に8勝を挙げたが、昨季はわずか1勝止まり。悔しい1年に終わった昨季だが、今季はここまでオープン戦、14イニングを投げて自責点は0。22日の中日戦でも8回からの2イニングを無安打に抑えてみせた。好投を続ける右腕に対し伊東監督も「大嶺祐もずっと頑張ってよかった」と高く評価する。
さらに、二木、酒居、関谷なども控える先発陣。二木と酒居は先週末に行われた二軍戦に先発し、両投手とも好投した。英二コーチは「まだローテーションの争いは続いている」と二木、酒居なども開幕ローテ入りの可能性があることを示唆している。
オープン戦は残すところ2試合。誰が開幕先発ローテーション入りを果たすのか、最後まで目が離せない。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)