◆ 昨季は梶谷自身の負傷もあり頓挫
DeNAのラミレス監督が27日、「セ・リーグ ファンミーティング 2017」の中で、開幕戦のオーダー案を披露した。
その中で指揮官は、改めて「2番・梶谷隆幸」を明言。これは監督就任当初から抱いていた構想ではあったが、昨季は梶谷自身の負傷離脱や5番打者候補だったロマックの不調などもあり、「2番・梶谷」が実現した試合は、クライマックス・シリーズも含め計13試合しかなかった。
梶谷を2番で起用する場合は、1番桑原将志、3番ロペス、4番筒香嘉智が基本形になる。新たな5番打者には、オープン戦首位打者(.375)のシリアコが入る見込み。指揮官が就任当初から思い描いていた理想形が、今年は開幕から機能するか注目される。
◆ メジャーでは2番打者MVPが続出、セ・リーグでも2年連続で最多安打者が…
2番に強打者を置く打順構成は、メジャーリーグでは当たり前になりつつある。昨季108年ぶりにワールドシリーズを制したカブスは、開幕当初クリーンナップを打っていたブライアントを7月以降2番に固定。若き大砲は打率.292、39本塁打、102打点の好成績を残し、ナ・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。
それ以前にも、15年はブルージェイズの2番ドナルドソンが、打率.297、41本塁打、123打点の成績でア・リーグMVP。14年はエンゼルスの2番トラウトが打率.287、36本塁打、111打点の成績で同じくア・リーグMVPを受賞している。トラウトは16年にも2度目のMVPを受賞したが、昨年は3番起用が多かった。
この流れはプロ野球界にも波及しており、15年は首位打者(打率.336)と最多安打(195安打)の2冠王・川端慎吾を2番に置いたヤクルトがセ・リーグを制覇。昨季もリーグ最多安打(181安打)で打率.315をマークした菊池涼介が2番を打った広島が、見事に25年ぶりのリーグ制覇を果たした。
菊池はレギュラーに定着した2013年から不動の2番打者ではあったが、13年50、14年43、15年49だった犠打数が16年は23へ減少。チーム方針とともに打撃スタイル自体が変わった。川端の15年犠打数はわずか2つで、バントをしない2番打者がセ・リーグを席巻しつつある。
梶谷は3年連続100三振越えと淡泊な一面もあるが、昨季のOPS(出塁率+長打率)はリーグ10位の.839と、得点能力の高さは魅力。併殺も15年が4つ、16年が2つと、強攻策に出た場合のリスクも少ない。
2番梶谷が機能すれば、DeNAの得点力は間違いなく上がる。さらに、セ界制覇の条件になりつつある2番抗争を制することができれば、自ずとチームもリーグ優勝に近い位置にいるはずだ。