キャンプで故障
2年目のラミレスDeNAが始動。今年も扇の要を務めるのは戸柱恭孝だ。
プロ2年目の26歳。昨年はルーキーイヤーながら開幕スタメンマスクを勝ち取ると、124試合に出場した。巧みなリードとキャッチング、ボールストップで一気に正捕手へ。今年はそのポジションを確固たるものにする...はずだった。
ところが、男をアクシデントが襲う。2月13日・春の宜野湾キャンプ、この日は初の対外試合となる阪神との練習試合が行われた。
その試合後、突然左脇腹に痛みが走った。「左腹斜筋肉離れ」でそのまま二軍落ち。本隊を離れてリハビリに専念することになった。
監督の“親心”
しかし、ラミレス監督はその時「今の時期でよかった」とポジティブに言った。治療に1カ月を要しても、この時期であれば開幕には間に合うと考えたためだ。
ただし、焦りは禁物。ラミレス監督が早々に「正捕手は戸柱」と言っていたのは、早る気持ちを抑えさせるための“親心”のようなものだったのではないか。
指揮官の期待に応え、戸柱は開幕前に帰ってくる。復帰戦は負傷したときと同じ阪神戦。いきなり新外国人・ウィーランドとのコンビとなったが、カーブを有効に使った組み立てで5回2/3を1失点にまとめた。
試合は0-1で競り負けたものの、「この試合は僕にとって大切な試合だった。ケガをしている期間、お世話になったトレーナーさんや裏方さんには本当に感謝しています」と感謝を述べた戸柱。いろいろな人の支えがあって、無事に2年目の開幕戦を迎えた。
誰もが認める“ハマの司令塔”となるべく、今年は打撃にも力を入れている。
「去年はバットで貢献できなかった。今年は攻撃でも、という思いが強い」という男。ここまで4試合で打率.154となっているが、オフの期間に古巣・NTT西日本の練習場で連日行った振り込みの成果はきっといつか現れることだろう。
もっとチームに貢献を...。感謝の気持ちを胸に、戸柱の奮闘の日々は続く。