西武・辻発彦監督

◆ 開幕5試合目の初エラー

 4月5日、メットライフドームで行われた西武-オリックス(2回戦)。4回表の西武の守備で、場面は無死一・二塁。打者の駿太がバントの構えからバットを引くと、捕手・岡田は離塁の大きくなった二塁走者・T-岡田を仕留めるべく二塁へ牽制球を送った。

 しかし、この送球は帰塁したT-岡田に当たり、ボールは二塁方向へ転々。一塁走者の中島宏之は二塁でタッチアウトに仕留めたものの、T-岡田は三塁へと進み、岡田に失策が記録された。

 なぜこんなシーンを切り取ったのかというと、実はこれが西武の今シーズン初めてのエラーだった。

 昨季は両リーグで唯一の3ケタ台となる「101」もの失策を喫した西武。昨年の開幕5試合目の時点ではすでに3つのエラーを犯していたが、今年は5試合目にして1個目。他5球団はすでに失策を記録しているので、西武は『リーグで最もエラーが出ていなかった球団』ということになる。

◆ 野球は守備から

 屈辱的な“守乱”のシーズンを経て、チームは辻発彦新監督に再建を託した。

 辻監督といえば、西武黄金期の名二塁手として名を馳せた人物。通算16年のキャリアで8度のゴールデングラブ賞に輝くなど、まさに名手として知られている。

 命題は『常勝西武』の復活――。そのために指揮官は守備の強化を徹底的に行う。

 良い守備は投手に安心感を与え、良い守備が攻撃へのリズムを生む。昨季までは秋山翔吾や浅村栄斗、中村剛也、メヒアに森友哉といったド派手な打撃陣に頼りがちだったところに、「野球は守備から」という意識を植え付けた。

 まだ開幕してから5試合というところではあるが、開幕からの4戦連続無失策という結果は、そういった意識改革による部分が大きいといえる。

◆ 辻西武の申し子

 新生・辻西武における申し子的な存在となっているのが、開幕から遊撃で出場を続けているドラフト3位・ルーキーの源田壮亮だ。

 守備と足に定評のあった社会人卒ルーキーだが、辻監督は春のキャンプ序盤から熱のこもった指導を展開。「細かい部分まで教えて頂いた」と、直接指導によって武器の守備を“プロ仕様”へと仕上げていった。

 昨季は7人の選手が守り、合計19もの失策を記録した遊撃手のポジション。中島裕之の退団以降はなかなか固定できず、チームの弱点となっていた部分であるが、今年はここまで源田が全試合フルイニング出場で失策0。打撃では苦しいところも見せているが、それ以上に守備の面で投手を大いに救っている。

 あとはこれをいかに継続していくことができるか。源田にとって初めてのシーズンであり、疲労で調子を崩してしまうことや、最悪の場合はケガでの離脱ということもあるかもしれない。他の選手も同様だ。

 ひとまず良い滑り出しを見せた新生・辻西武。エースの流出などもあって下馬評は軒並み低くなっているが、すべてをひっくり返すような快進撃に期待したい。

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ベースボールキング編集部

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