6日の日本ハム戦でプロ初登板初先発したロッテのドラフト1位ルーキー・佐々木千隼が、5回3安打1失点でプロ初勝利をつかんだ。
「満足いくピッチングができなかった。次に向けてやることがたくさんある」。開口一番、ルーキーは反省の弁を口にした。
確かに完璧な投球ではなかった。強風が吹き荒れるZOZOマリンスタジアム。制球に苦しみ、6四球を許した。それでも要所を抑え、1失点にとどめた。
指揮官も「新人が苦労しながらゲームを作ってくれた。直すところはあるが、十分評価できる」とねぎらった。
前日は「緊張であまり眠れなかった」と話すが、「試合が始まったら緊張している余裕なんてなかった」と振り返る。
しかし、ルーキーは“大物”っぷりを発揮。1点リードで迎えた5回、先頭・中島卓也に中前打を浴びた後、盗塁も許し、無死二塁とピンチを招く。しかし、西川を空振り三振に斬ると、続く大谷もシンカーでバットを振らせた。近藤はストレートの四球で歩かせてしまったが、4番・中田を再び三振に仕留め、無失点で切り抜けた。
ガッツポーズ。普段はあまり感情を出すタイプではないが、「自然と出た」と笑顔。「うれしかったです」と安堵の表情で語った。
同学年で女房役の田村の好リードも佐々木を助けた。「直球が引っかかっていたので、スライダー、カーブを使ってみたら、ストライク入ることがわかったので、それを中心にした」。佐々木が強風で制球に苦しんでいることを察した田村は勝負球を変えた。さらに、風でフォームが崩れているのを見て、セットポジションに切り替えさせる。佐々木は田村に「有効な球を選んでくれた」と感謝。田村も「要所で三振が取れる。良い投手の特徴」と佐々木を称えた。
今後の課題は「制球力」。「一つ一つクリアにしていけたら」と前を向いた。
ウイニングボールは両親へ。「勝てたことはすごく良かった。一つ勝つということがどれだけ大変なことかわかった。もっともっと成長して勝ちを増やしていきたい」。背番号「11」は更なる成長を誓った。