守護神の座を射止めた新助っ人
V奪還を目指す2年目の由伸巨人。今年から守護神の座を射止めたのが、新助っ人のアルキメデス・カミネロだ。
ここ2年抑えを務めた沢村拓一が開幕前に離脱。当初は沢村とカミネロを競わせる方針であったが、自然とカミネロがその座に収まる形で落ち着いた。
最速160キロ超えの速球が目を引く右腕であるが、ストライクゾーンで微妙にボールを動かしながら打者を斬っていくというのが投球スタイル。特にインステップ気味で投げる分、右打者に与える恐怖は大きくなり、ストロングポイントのひとつになっている。
また、タフさも魅力のひとつだ。早くも9試合に登板し、10回と2/3を投げて防御率1.69をマーク。イニング跨ぎや連投も苦にすることなく、首脳陣の信頼も高い。
光った“修正能力”
安定した活躍を見せているカミネロだが、不安を露呈したマウンドが1つだけあった。4月13日の広島戦である。
1点リードの9回にマウンドに登るも、先頭の代打・松山竜平に被弾。一瞬で同点とされてしまうと、被安打4で失点6の大炎上。アウト2つまでで無念の途中降板となった。
ショッキングな敗戦となったが、高橋由伸監督はチャンスを与えた。翌14日の中日戦で、同点の10回からカミネロをマウンドに送ったのだ。カミネロも指揮官の想いに応えるように、2回を無失点という好投を披露。見事に立ち直った姿を見せ、心配を払拭した。
「いつも通りチームの勝利に貢献するだけ」。長いシーズン、打たれる日もある。大事なのは引きずらないこと。すぐ次に切り替えることができるというのも、メジャーでの豊富な経験がなせる業だ。
今年の巨人の最終回は、例年以上に“安泰”かもしれない。