2戦連続の延長サヨナラ負け
4時間50分の死闘。23時が迫る中、歓喜に沸いたのは一塁側のベンチだった。
21日にヤフオクドームで行われたソフトバンク-楽天の一戦。楽天は5回まで3-0とリードしながら、6回に3点を失って同点。その後は好調なリリーフ陣がゼロで繋ぐも打線も封じられ、延長12回に8人目の青山浩二がデスパイネにサヨナラ犠飛を浴びた。
首位・楽天はこれが今季初の連敗。それも2試合続けての延長サヨナラ負けというダメージの大きな敗北となってしまった。
取りこぼした勝利
特にショッキングだったのが、いずれも「勝ちを逃した」負けだったことだ。
19日の西武戦は5回まで3-0とリード。2点を返されるも、7回に1点を追加して4-2で終盤戦へ。あとは開幕から絶好調のリリーフ陣に託すものと思われた。
ところが、8回のマウンドにはエースの則本昂大が登った。開幕からのフル稼働が頭をよぎったのかもしれないが、結果的にはこれが裏目に出る。則本は8回に2点を失い、たちまち4-4の同点。味方のまずい守備もあったが、試合を振り出しに戻されてしまう。
すると試合は延長12回まで進み、温存したかったはずの森原康平やフランク・ハーマン、福山博之といったところを使う羽目に。最後は12回に森原が浅村に適時打を浴び、4-5のサヨナラ負けを喫した。
そして移動日を挟んでのソフトバンク戦。この試合でも同じように、序盤でリードを奪いながらも先発が捕まり、最後は我慢比べの末にサヨナラ負け。リリーフ陣も高梨、福山、森原、ハーマン、松井裕、菅原、青山と7人もつぎ込んだ末の敗戦ということで、やはりダメージの大きな敗北となった。
これまで盤石のはたらきを見せてきたリリーフ陣にほころびが見えたこと。そして、ロングゲームとなったがために勝ちパターンを温存することができなかったこと。楽天にとってはただの連敗ではない、まさに“痛恨”の2試合となってしまった。
首位・楽天が見せた一抹の不安は、“春の珍事”とも言われているパ・リーグの流れを変える要素となるのか。今後の戦いから目が離せない。