苦しむチームの救世主となるか
23日、中日のベンチ入りメンバーに“福田永将”の名前が入った。
開幕から3週間、ついに巡ってきたチャンス。昇格したその試合では出番は回ってこなかったが、チームは1-0の“スミ1”勝利。先発のバルデスが8回無失点の力投を見せ、開幕から続いていた先発投手の未勝利記録に20試合目で終止符を打った。
開幕から20試合で6勝11敗3分。最下位に沈むチームであるが、5位・ヤクルトとはゲーム差なし。4位・DeNAとも1.5差と、まだまだ巻き返せる位置につけている。
中でも惜しかったのが引き分けの多さ。3分は12球団最多となっており、いずれも内容は3-3、1-1、2-2とロースコアのもの。投手が踏ん張りながらも決定打に欠くシーンが目立ち、引き分けに「持ち込んだ」と言えるのは21日のDeNA戦くらいのものだ。
そんなチームの救世主として期待がかかるのが、一軍に上がってきた福田である。
かつては中学時代に全国制覇を果たし、高校進学時には50校前後の高校から声がかかっていたという伝説も持つ男。横浜高時代には正捕手・主将としてチームを引っ張り、センバツ優勝を果たす。
プロ入り後はなかなか一軍に定着できなかったが、捕手から内野手、また捕手といったコンバートを繰り返しながら、3年目の2009年にプロ初打席初本塁打をマーク。2015年に6本塁打を放つなどブレイクの兆しを見せると、昨季は自己最多の89試合に出場して打率.267、10本塁打、37打点という成績を残した。
ここまでリーグ最小の52得点は、トップの広島の105の半分。チームの貴重な和製大砲が、この課題を解消する救世主となるか。遅れてきた切り札・福田に注目だ。