野球にかける時間が増えた二軍生活
ベテランのDeNA・久保康友は、今季初登板となった4月30日の広島戦で、5回を7安打3失点に抑え、初勝利を手にした。
試合前まで通算93勝を挙げていたベテラン右腕は、今季は開幕投手の石田健大、2年目の今永昇太をはじめ、若手投手の奮闘もあり開幕は二軍スタートとなった。二軍では「基本的には自分の更新だと思っています。自分の置かれている立場で、テーマが変わってくると思います。一軍であれば、実戦の経験。ファームであれば練習で能力をあげる」とブルペンでの球数、走る量、ウエイトトレーニング、野球にかける時間が増えていたという。
久保は「たくさん練習をすればするほど、何か発見できるチャンスがあります。ケガをするというリスクを度外視すれば、たくさん練習するメリットはあると思います」といつ一軍で呼ばれてもいいように準備を続けていた。
巡ってきた一軍登板
「久保はクイックが非常に速いですし、そういうのを防げる。二軍でも球のスピードがありましたので、久保という選択にしました」(ラミレス監督)。
二軍で準備を続けてきた久保は、約1カ月遅れで一軍の先発マウンドにあがるチャンスが巡ってきた。
だが、今季初登板となる試合前の横浜スタジアムは、強い風が吹いていた。「風を見たら、ホームラン風が吹いていたので、めっちゃビビってました」と話したが、ここは数々の修羅場をくぐりぬけてきたベテラン。強打の広島打線を「細心の注意を払いながら投げました」と、毎回のように走者を出しながらも4回まで無失点に抑える。
打線も初回に2点、3回にはロペスの満塁弾などで7点を援護。しかし、勝ち投手の権利がある5回に乱れた。2本のヒットなどで一死一、二塁のピンチを招くと、菊池涼介にレフトへタイムリー。丸佳浩の内野ゴロの間に失点、鈴木誠也にタイムリーを浴び3点を失った。結局、久保はこの回を投げ終えたところで降板。6回以降はリリーフ陣に託した。
終盤、リリーフ陣が乱れ最大7点あったリードを1点差に迫られたが、「僕は常に後ろのピッチャーを信じているので、当然勝つと思っていました」と久保の想いがリリーフ陣に伝わり、今季初登板で初勝利。ベテランの久保は、遅れながらも2017年シーズンがスタートした。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)