◆ チームに上昇気流をもたらす男

 2日連続の逆転満塁弾に、ヤフオクドームは割れんばかりの大歓声。3日に開幕した博多どんたくに負けないお祭り騒ぎとなった。

 0-2で迎えた4回裏、二死満塁。打席には前日2本塁打の上林誠知が入る。1ボール2ストライクと追い込まれながらも、高橋光成が投じた高めの速球を思い切りひっぱたくと、打球はライトスタンドの中段に消えた。

 2日の甲斐拓也に続く2試合連続の逆転満塁弾。上林にとっては2日で3発目という本塁打で西武を蹴散らし、連勝を3に伸ばした。

 今年も優勝候補筆頭に挙げられながら、スタートダッシュに失敗したソフトバンク。現在も和田毅に武田翔太という左右の両輪を欠く中での戦いを強いられているが、それを感じさせない勢いが出てきた。

 チームに上昇気流をもたらしているのが、新たな若手の台頭。なかでもこの上林の活躍は大きな力になっている。

 ブレイク候補として多くの雑誌やメディアで取り上げられた昨年は、わずか14試合の出場で打率.211と低迷。前の年に首位打者を獲得したファームでも98試合の出場で打率.247と苦しみ、大きく期待を裏切る結果となってしまった。

 迎えた今シーズンも、開幕スタメンに抜擢されながらもすぐには結果を残せず、打順が回ってきたところで代打を送られてしまうという屈辱も。それでも4月22日の楽天戦で放った二塁打を皮切りに、ここまで10試合連続で安打をマーク。5月に入ってからの2試合では打率.556、3本塁打、10打点と驚異の活躍でチームを勝利に導いている。

◆ 4年目の大ブレイクへ…

 もともと細身体型の上林であるが、このオフには10キロの増量に成功。その甲斐あってか、力感の軽いスイングに見えても、打球はぐんぐんと伸びていくようになった。

 “仙台のイチロー”と呼ばれた高校時代のイメージからアベレージヒッターという印象で見ている人も少なくないかもしれないが、ファームでは2015年に10本塁打を放ち、不振に苦しんだ昨季も本塁打は12本を記録。順調に本塁打数を伸ばしてきている。

 ホームランテラスを軽々と越える飛距離を持っている一方で、満塁弾の後の打席ではワンバウンドしようかという地面スレスレのボールを拾う適時打を放つなど、持ち前の打撃センスをこれでもかと発揮。ついにその才能が花を咲かせようとしている。

 ソフトバンクの右翼手といえば、昨季からなかなか固定できずに苦しんだポジション。また、強力打線のなかでやや手薄となっていた8番・9番といったところに上林がいれば、相手に与える脅威は計り知れないものになる。

 チームの弱点を埋める存在となるか…。ブレイクの気配を漂わせる上林から目が離せない。

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ベースボールキング編集部

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