◆ 直近4カード12試合で2勝9敗1分、4位転落
「また次の試合、切り替えて」。5月7日楽天戦の試合後、辻発彦監督はこう言い、前を向いた。
ここまで29試合を終え、13勝15敗1分の借金2。一時は2位につけていたが、直近4カード12試合は2勝9敗1分と苦しみ、現在は首位と7.5ゲーム差の4位に転落した。
ソフトバンクとの3連戦では、登録抹消された多和田真三郎に代わって先発したキャンデラリオが3回7失点でKO、高橋光成が6回5失点、十亀剣も5回途中7失点と総崩れ。ここまで、比較的安定感を見せていた野上亮磨は6日の楽天戦で3回5失点、西武加入後、8連勝中だったウルフも7日の楽天戦で初黒星を喫した。
◆ 9日からは“イバラの道”?
そんな苦しい状況の中、西武はきょう9日から新たな“試練”を迎える。札幌、神戸・大阪、幕張と3カード連続のロードに出るのだ。
長期ロードといえば、夏場の阪神の“死のロード”が有名。高校野球で甲子園球場が使われるため、その間は本拠地以外での戦いを強いられるというものだ。
とはいえ近年は京セラドーム大阪を使ってホームゲームも開催するため、以前と比べたら“地獄度”は落ちるものの、風物詩的な存在として広く知られている。
一方で、これはあまり知られていないのだが、西武は毎年この時期にロード連戦を迎える。理由は、「国際バラとガーデニングショウ」がメットライフドームで開催されている。
過去3年を振り返ってみても、昨年は期間中に3勝5敗と負け越しており、一昨年は3勝5敗1分、その前の2014年も3勝4敗敗とすべて負け越し。苦しい戦いを強いられてきた歴史がある。
今季は日本ハム戦が2連戦のため、例年よりは厳しさは減るかもしれないが、3カード連続でロードというのは決して優しいものではなく西武にとっての“イバラの道”に他ならない。ここを乗り越えることができるか、序盤戦の大きなヤマ場を迎えている。
『今季こそ優勝』と辻新監督の下、チームは例年以上に一丸となっている西武ライオンズ。今季最初の“試練”を乗り切ることができるのだろうか。獅子達の奮闘に期待したい。