28日に行われたロッテと西武の一戦は、今季のパ・リーグで初のドロー(2-2)決着となった。
4月は7勝13敗。GW前になんとか勝星を重ねたいロッテだったが、先発・涌井と救援陣の健闘も虚しく、わずか4本に終わった貧打では勝利を手繰り寄せるには至らなかった。
◆ 2割に届かないチーム打率
現在チーム打率は.187とダントツ最下位。伊東監督も以前、「(プロの世界で)何十年もやってるけど、これほど打てないのは初めて」と嘆いていた。
2リーグ分裂後、シーズン打率が2割を切ったチームは1つもない。主砲デスパイネの離脱や、外国人助っ人の適応不順など、要因は様々だが、解決の糸口は弛まぬ努力と勝利の二文字しかないだろう。
◆ 一人気を吐くキャプテン
そんな鳴かず飛ばずの打線の中で、一人気を吐く男がいる。キャプテンの鈴木大地だ。
ナイター終了後の「夜間練習」を敢行するほど危機感が蔓延するなかで、鈴木は「何とかしたい、ただそれだけです」と話し、一人結果でチームを牽引する。
チーム事情もあり今季からセカンドにコンバートされた鈴木。遊撃手としてベストナインに選ばれるほどの選手が、長年連れ添った景色から離れることは容易ではない。
しかし、「このコンバートがもしかしたら僕の野球人生のターニングポイントになるかもしれない」と、訪れた試練を力に変える。事実、チーム打率が1割台に沈む中で、鈴木は打率.321、長打率.487と、明確な結果を残している。
◆ 切なる願い
昨季終了後の契約更改時、推定年俸が1億円に到達した鈴木は「喜びよりも、いろんな方への感謝の気持ちです」と話した。
彼を突き動かすものは、燃え盛るエゴではなく、野球に対する真摯な愛情と、周囲への感謝にある。
「心から伊東監督を胴上げしたいと思う。感謝だけでは、恩返しにならない」
その言葉に秘められた想いに他の選手達が共鳴し、復活の狼煙が上がることを信じたい。