ニュース 2017.05.20. 11:30

各地で目立つ遊撃手の世代交代

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楽天・茂木栄五郎(C)KYODO NEWS IMAGES

快進撃の立役者


 2017年シーズン開幕直後のサプライズといえば、楽天の快進撃だろう。ここまで35試合を消化し、25勝10敗の貯金「15」。ソフトバンクに2ゲーム差をつけての首位を快走している。

 好調な要因は様々あるが、なかでも象徴的な存在となっているのが1番を打つ茂木栄五郎の活躍だろう。33試合の出場で打率323をマーク。本塁打は早くも昨年の7本を越える自己最多の8本を放ち、打点も27と攻撃的1番としてチームを牽引している。

 松井稼頭央がレギュラーから外れて以降は固定するのに苦労していたポジションであるが、今や完全に茂木のポジションとなった楽天のショートストップ。このように、今季は“遊撃手の世代交代”が目立つシーズンとなっている。


新戦力の奮闘


 同じくパ・リーグで、ここまで目立った活躍を見せている遊撃手といえば西武の源田壮亮だ。

 ドラフト3位で入団した社会人出のルーキーは、評判の高かった守備力を武器に開幕一軍の切符をゲット。球団では石毛宏典氏以来で36年ぶりとなる新人ショート開幕スタメン出場を果たした。

 課題とされていたバットでも、状況に応じた“気の利く打撃”で2番の座を射止めると、5月12日からのオリックス3連戦で3試合連続マルチ安打を記録するなど開眼。現在打率.316でリーグ10位にランクインするという嬉しい誤算状態となっている。


 また、中島卓也がケガで離脱中の日本ハムでは、ドラフト2位の石井一成が奮闘中。セ・リーグでは中日でドラフト2位ルーキーの京田陽太が39試合に出場。課題とされていた打撃でも打率.263をマークするなど、大卒ルーキーの活躍も目立っている。


難しい育成


 上述の楽天や西武、中日といったところは、絶対的な遊撃手が抜けた後の穴埋めに苦労した。様々な選手を試した結果、彗星のごとく現れた新戦力が見事にハマり、良い方向へと向かっている。

 そんななか、難しい“育成”で世代交代を推し進めようというチームもある。セ・リーグ首位につけている阪神だ。

 昨年から北條史也が台頭し、2005年から不動の遊撃手として君臨していた鳥谷敬が三塁にコンバート。プロ入り後はやや時間を要したが、4年で見事に一軍のレギュラーの座を掴んでいる。


 大学・社会人の即戦力で穴を埋めたチームに、高校生を育て上げたチーム…。各チームがそれぞれの方針で世代交代を推し進め、それが各地で同じタイミングで花開こうとしているのだ。

 各チームで奮闘する新・遊撃手たちから目が離せない。

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