苦しい5月
オリックスは3・4月、15勝8敗と最高のスタートを切ったが、5月はここまで3勝19敗と大きく負け越す。5月2日の楽天戦後には今季最多タイの貯金8を記録するも、現在9連敗で借金は9。3・4月の勢いがなくなり、苦しい戦いが続いている。
【月別チーム成績】
打 率:.266 → .235
本塁打:19 → 10
得 点:103 → 47
防御率:2.90 → 4.76
月別成績をみても、全ての成績が落ち込んでいる。福良淳一監督は負けが込んでいる理由のひとつに「結局いつも言うように、投手陣の四球ですよね」と四球の多さを挙げた。四球の数を調べても3・4月は23試合で78個だったが、5月は22試合で86個と増えている。この状況に福良監督は「守りに入っているというか、バッターと勝負ができていない。勝負していたら問題ないんですけど…」と投手陣に苦言を呈した。
打線についても西村徳文ヘッドコーチは「4月はみんな調子がよくて、5月に入ってみんな調子が悪くなってしまった」と分析する。
【主な打者の月別成績】
T-岡田
3・4月:23試 率.351 本7 点15
5月:22試 率.296 本5 点11
小谷野栄一
3・4月:23試 率.360 本2 点13
5月:21試 率.273 本0 点3
中島宏之
3・4月:23試 率.277 本2 点11
5月:22試 率.256 本1 点8
駿太
3・4月:23試 率.278 本0 点8
5月:21試 率.232 本1 点5
西野真弘
3・4月:18試 率.236 本0 点6
5月:20試 率.200 本0 点2
安達了一
3・4月:23試 率.193 本0 点4
5月:12試 率.081 本0 点1
西村ヘッドコーチが話すように、規定打席に到達しているほとんどの選手たちが、3・4月に比べると5月は数字を落としている。「今まで、こんなことはなかったですね」(西村ヘッドコーチ)と嘆くほどだ。
また、西村ヘッドコーチは「最近ヒットが出るようになったのですが、(チャンスで1本が出ないのは)選手が若いからなのでしょうか、ちょっと分からない部分がある」とチャンスにあと1本出ないことについても言及した。
リーダーの存在
5月は投打ともに3・4月に比べて成績を落とすオリックス。こうした状況を打破するために西村ヘッドコーチは「昨年までは糸井(嘉男)がいて、中島、小谷野といったベテラン選手たちに気を遣っていた部分があったと思う。糸井が抜けて、生え抜きの安達とT-岡田にチームを引っ張っていってもらいたい」と“生え抜きの同学年コンビ”がチームの先頭に立ってプレーすることを期待する。
その中でも、T-岡田は今季チームトップの打率.323、12本塁打、26打点の成績を残し、バットでチームを引っ張る。27日のロッテ戦でも2点を追う9回二死に、第12号ソロを放ち意地を見せた。
バットで結果を残すT-岡田だが、西村ヘッドコーチは「真面目な選手」と評価しながらも、「少しくらいやんちゃなところがあってもいいのかな」と注文をつける。
5月は3勝19敗と大きく負け越し苦しい状況が続く。福良監督が話した投手陣の四球数、西村ヘッドコーチが話したチームリーダーの存在が、3・4月の勢いを取り戻すためにも必要なことといえそうだ。
(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)