歓喜が一転…
歓喜に沸いたロッテファンが一瞬で静まり返った。
ZOZOマリンスタジアムで行われた28日のロッテ-オリックス戦。1点ビハインドで9回裏を迎えたロッテは二死二塁と一打同点の場面を迎える。
打席に入った荻野貴司の打球は、前進守備を敷く中堅手・駿太の前に転がる安打となった。ここで三塁コーチャーズボックスの清水雅治コーチは、二塁走者・大嶺翔太に本塁突入の指示を出す。
しかし、駿太の矢のような送球がホームへ一直線に向かい、大嶺はホームベース手前でアウト。試合終了となった。
駿太の魅力と課題
遠投120mという肩の強さも魅力的な駿太だが、バックホームをする際の制球も光る。今回のプレーでも捕球時の状態は万全ではなかったが、捕手・若月健矢のミットに向けて一直線の送球を見せた。加えて足もあり守備範囲も広い。
外野手としての能力は非常に高い駿太だが、その一方で物足りなさを感じるのが打撃面。2016年は打率.192で0本塁打、2014年に打率.280・3本塁打を記録したが、それ以外のシーズンは思うような結果を残せていない。
今季は5月29日現在で、打率.255、1本塁打。苦手とする左打者を攻略できるようになれば、定位置確保は間違いないだろう。
外野手の豊作年!?
駿太がオリックスから1位指名を受けた2010年のドラフトを振り返ると、日本代表にも名を連ねる2人の名前が出てくる。ソフトバンクが2位で指名した柳田悠岐と、西武が3位で指名した秋山翔吾だ。
柳田は2015年にトリプルスリー(打率.363、34本塁打、32盗塁)を達成し、秋山も同じ年にシーズン最多安打記録を更新(216本)している。
柳田と秋山は大卒入団だが、駿太と同じ高卒入団でも日本ハムから2位指名を受けた智辯和歌山の西川遥輝が主力として活躍。2年目から71試合に出場すると、4年目の2014年には41盗塁を記録して盗塁王のタイトルを獲得する。そして2016年には、打率.314という成績を残してチームの日本一にも貢献した。
駿太も高卒新人野手として球団初の開幕一軍を手にした逸材だが、当時の高卒ルーキーも今年で25歳。プロ6年目を迎え、そろそろ結果が欲しいところ。課題の打撃を改善し、「走・攻・守」三拍子揃ったプレーヤーとして、飛躍の1年にできるか!? まずは今日から始まる交流戦での活躍に期待したい。
【2010年ドラフトで指名された外野手】
ヤクルト :川崎成晃(6位)
DeNA :荒波 翔(3位)
ソフトバンク:柳田悠岐(2位)
西 武 :秋山翔吾(3位)、熊代聖人(6位)
ロッテ :伊志嶺翔大(1位)
日本ハム :西川遥輝(2位)、谷口雄也(5位)
オリックス :駿太(1位)、宮崎祐樹(3位)、深江真登(5位)
楽 天 :榎本葵(4位)