各チームのテコ入れ
各チームとも50試合ほどを消化し、いよいよ交流戦に突入した。5月も終わりになると、上位と下位のゲーム差も開き始め、焦りを感じ始めているチームも現れてくる。
上位とのゲーム差を詰めたいけれど詰められない…。そういった状況下で行われるのが戦力の入れ替え。二軍で活躍している選手の抜擢、新外国人選手の獲得、調整中のベテラン選手の昇格……などなど。
実際、パ・リーグ最下位のロッテは俊足外野手のサントスを獲得。5月に入って大失速を見せたオリックスも30日に新外国人マレーロの獲得を発表するなど、チームを立て直すための補強に動いている。
しかし、その一方で外国人枠の関係や、出遅れなどの理由から今まで一軍に上がれていない外国人選手たちもいる。
実践への復帰
最下位中日と0.5ゲーム差の5位に位置するヤクルトには、ルーキ、ブキャナン、オーレンドルフ、ギルメットという4人の投手に加え、バレンティンとグリーンという2人の野手を含めた6人の外国人選手が在籍している。
このなかで一軍に昇格したことが無いのはグリーンのみ。4月の終わりに肉離れを起こして戦列を離れていたが、5月23日の試合から二軍戦に出場しはじめている。
30日時点の二軍成績は23試合に出場して打率.221(77-17)、6本塁打、18打点。打率は低いが本塁打は放っており、二軍戦復帰後は打率.300(20-6)と調子も上向き、一軍昇格もありそうだ。
熾烈な外国人枠
5連敗で4位に転落した巨人は、チーム打率がリーグ最下位の.239と、打線に元気がない。ここ12試合連続で本塁打がなく、チーム本塁打28はリーグ5位タイの成績だ。
外国人枠の関係もあり難しい選択ではあるが、現在イースタンリーグ本塁打王のクルーズを昇格させるのも面白そうだ。
二軍での成績(30日時点)は29試合に出場して打率.312(77-24)、8本塁打、17打点と好成績を残しており、攻守両面で戦力になる存在と言えそうだ。
戦力層の厚さ
ソフトバンクの新外国人・ジェンセンも未だに昇格できていない選手の一人だ。ここまで二軍で36試合に出場(30日現在)して打率.254(118-30)、8本塁打、26打点を記録しているが、チャンスが巡ってこない。
8本塁打はウエスタンリーグ2位タイの記録だが、一軍に昇格できないのは守備位置の関係か――。これまでは一塁手として試合に出場しているが、一塁には内川聖一がおり、指名打者にはデスパイネ。その他にもそうそうたるメンバーが揃っている事に加え、チームの状態が悪いわけでもない。
また、5月に入ってから本塁打が止まっている点も要因かもしれない。4月までに7本塁打を記録していたが、5月に入ってからは1本に留まっている。それでも、打撃陣が不調に陥っている他のチームであれば出番はあってもおかしくない成績。一軍の外国人枠は空いているだけに、チャンスを得て飛躍したいところだ。
【一軍未昇格の外国人選手二軍成績】
<ソフトバンク>
ジェンセン:36試(率.254 8本 26点)
<巨 人>
クルーズ :29試(率.312 8本 17点)
ギャレット:11試(率.290 2本 9点)
<阪 神>
メンデス :23試(0勝1敗11S 防2.28)
<ヤクルト>
グリーン :22試(率.219 5本 15点)