◆ ショッキングな敗戦
5月30日にパ・リーグの本拠地で開幕した交流戦。この日は巨人にとって悪夢の始まりだった。
4連敗で迎えた交流戦の初戦、相手は快進撃を続けるパ・リーグ首位の楽天。嫌な流れを断ち切るべく先発のマウンドに登った菅野智之だったが、立ち上がりにいきなりの2失点。味方に逆転してもらった2回にも2点を失ってリードを許すと、3回も2失点と失点を重ね、5回にも藤田の2ランで2失点。結局5回を投げて被安打10、2本塁打で8失点(自責は6)と打ち込まれ、今季最悪の内容でマウンドを降りた。
「菅野なら…」。どれだけ相手が強くても、どれだけ自分たちの調子が悪くても、「菅野ならなんとかしてくれる」という思いで見つめていたファンは多かったのではないか。
勝ち運に恵まれなかった昨季から一転、3試合連続で完封勝利を挙げるなど、開幕から圧巻の投球で勝ち星を積み上げてきた巨人のエース。その菅野がメッタ打ちにあう姿は、巨人だけでなく他のセ・リーグ5球団のファンにも衝撃を与えたことだろう。
◆ 絶対に負けられない戦い
嫌な流れを断ち切るどころか、待っていたのはショッキングな敗戦…。このあと巨人は楽天に連敗を喫し、ホームに戻ってのオリックス3連戦も3連敗。交流戦は開幕から未勝利の6敗となり、交流戦前から続いていた連敗は「10」にまで伸びた。
巨人の10連敗は2006年以来で11年ぶりで、球団史上ワースト2位の記録。これで1975年のワースト記録:11連敗にリーチがかかってしまった。
そんな球団ワースト記録がかかる重要な一戦で、再びエースがマウンドに登る。6日にメットライフドームで行われる西武戦。巨人の予告先発投手は菅野智之だ。
対する西武はここ4戦負けなし。しかもこの土日は11点、8点と指名打者制度のない戦いながら打線が活発に得点を重ねてきた。先週の嫌な記憶を振り払い、強力打線に立ち向かっていくことができるか。試合を左右する大きなポイントになる。
球団史に残る“屈辱”の回避へ…。菅野智之が絶対に負けられない一戦に挑む。