◆ お預けとなった再会
6連戦×3週間に凝縮された交流戦も、11日の試合を持って2週目が終了。パ・リーグ本拠地での開催は最後となる。
交流戦の注目ポイントと言えば、やはり普段戦うことのない相手との“対決”だろう。今年の交流戦でも、チームの勝敗を飛び越えて注目を集めた“対決”があった。巨人の4年目左腕・田口麗斗と、オリックスのルーキー・山岡泰輔のマッチアップである。
高校時代に広島県内でライバルとしてしのぎを削っていた2人。3年夏の決勝戦では、瀬戸内高の山岡と広島新庄の田口が両者譲らぬ投手戦を演じ、史上初となる延長15回0-0の引き分け再試合に。再試合も意地の投げ合いが繰り広げられた末、1-0で山岡の瀬戸内高が勝利。甲子園出場を勝ち取った。
結論から言うと、この2人による“対決”は実現しなかった。6月4日の巨人-オリックス戦。ローテーション通りにいけばこの2人の投げ合いとなるはずだったのだが、田口は中5日で3日の試合に登板。3日の予告先発で「巨人・田口」と発表になったときには、多くのファンからため息が漏れたほどだった。
◆ 振り逃げが決勝点に
この山岡と田口のように、プロでの“再戦”が期待されるライバル対決はほかにもある。
2010年夏の甲子園・2回戦。広島・広陵高と福島・聖光学院高の一戦は、現日本ハムの有原航平(広陵)と、現阪神・歳内宏明(聖光学院)による白熱の投手戦となった。
両エースとも得点を許さず迎えた7回裏、聖光学院の攻撃。二死二・三塁のチャンスを作るも、有原のボールに打者のバットは空を切り三振。ところがこの投球を捕手が止めることができず、振り逃げとなって三塁走者が生還。ついに均衡が破れた。
その後も両投手による投げ合いでスコアボードには0が並び、最終的には1-0で聖光学院が勝利。有原は振り逃げに泣き、最後の夏に幕を下ろした。
1学年下の歳内は翌年にプロ志望届を提出し、2011年のドラフト2位で阪神に入団。一方、早稲田大への進学を経てプロを目指した有原は、2014年のドラフト1位で日本ハムへと入団している。現在はともに二軍での戦いを強いられているが、いつの日か一軍の舞台で、欲を言えば甲子園での投げ合いを見てみたい。
◆ センバツ決勝での熱戦
もう一組。2009年・春のセンバツ決勝で名勝負を演じた2人といえば、現西武の菊池雄星(花巻東)と現広島の今村猛(清峰)だ。
この試合も両者譲らぬ投手戦となり、6回まで0-0。ところが7回表、菊池は二死を取りながらも四球で走者を出すと、続く打者に痛恨の二塁打を許して失点。今村はこの1点を守って9回を投げぬき、清峰に初優勝をもたらした。
菊池は秋のドラフトで6球団競合の末に西武へと入団。故障に苦しむ日々も多く、決して順風満帆とは言えないキャリアを歩んできたが、今ではチームの大黒柱へと成長。今村も現在は守護神としてチームを支えている。
『夢のつづき』をプロの世界でも…。いつの日か実現するかもしれない、彼らの“再会”に注目だ。