混迷極める『指名打者部門』
6月も半ばに差し掛かり、セ・パ交流戦も今週で終了。リーグ戦が再開すると、あっという間にシーズン折り返しのオールスターゲームがやってくる。
7月14日(金)・15日(土)の2日間に渡って開催される今年のオールスター。5月16日(火)に始まったファン投票期間も6月18日(日)までとなっており、各ポジションの選手が一体誰になるのか、日々更新される中間発表に注目が集まっている。
そんな中、物議をかもしているのがパ・リーグの『指名打者』部門だ。
トップは日本ハムの大谷翔平で、25万票超えの独走状態。しかし、4月8日を最後に一軍出場がなく、現在も二軍で復帰に向けた調整中という段階であることから、ファンの間では「いかがなものか」という声も挙がっている。
ところが、ここに来て大谷に次ぐファン投票2位のアルフレド・デスパイネ(ソフトバンク)が負傷で戦線離脱。差が開いた同3位のジャフェット・アマダー(楽天)、4位の山川穂高(西武)も二軍調整中となっており、オリックスからノミネートされた吉田正尚も開幕前の故障で未だ一軍出場がない状態。“DH(指名打者)”というより、もはや“DL(故障者リスト)”部門のようだ。
【ファン投票・指名打者部門】
1位 大谷 翔平(日) ☆25万4751票
2位 デスパイネ(ソ) ☆18万4779票
3位 アマダー (楽) ☆4万2508票
4位 山川 穂高(西) ☆4万0918票
5位 パラデス (ロ) ☆2万3039票
[※6月12日時点]
ファン投票上位を見ても、現在一軍でプレーできているのは5位につけるジミー・パラデス(ロッテ)だけ。
ちなみに、オールスターゲームに出場するには、ファン投票締め切りの6月18日までに「1.投手として5試合以上登板または10投球回以上/2.野手として10試合以上出場または20打席以上」という規定を満たす必要がある。
大谷はすでに32打席に立っており、このハードルはクリア。もしこのままファン投票で選出となっても、ルール上はそのままオールスターゲームに出場することに問題はない。
指名打者で活躍している選手は…?
では、ノミネート選手以外で指名打者で活躍している選手というと誰になるだろうか。
真っ先に挙がるのは、6月に入っても打率.407を誇る日本ハムの近藤健介だろう。ファン投票には外野手としてノミネートされ、外野手部門で選出圏内の3位にランクインしている男であるが、ここまでは大谷が負傷離脱していたこともあり、指名打者としての出場が主だった。
しかし、その近藤も太ももの異変を抱えたままの出場が続いており、6月4日についにスタメン落ち。一軍に帯同しながら復調を待ったが、復帰のメドが立たないことから6月11日に登録抹消となった。
まさに“指名打者受難”状態のパ・リーグ。年に一度のお祭り、その出場権を掴むのは一体誰なのか…。ファン投票の行方はもちろん、そのなかでケガ人や不調に苦しむ選手たちの状況からも目が話せない。