様々な連続記録
今年の10月で44歳を迎えるイチローが、メジャーの舞台で奮闘を続けている。
昨季はメジャー通算3000本安打の偉業を達成し、またひとつメジャーの歴史にその名を刻んだ天才打者。今季は古巣・マリナーズとの試合で本塁打を放ち、日米通算ではあるがリッキー・ヘンダーソンのメジャー記録である「25年連続本塁打」を達成した。
長くプレーしている分、毎試合・毎打席ごとに様々な記録がかかってくるイチロー。特に“今季初○○”となれば、連続記録の更新となる可能性も高い。
昨季は本塁打がなかなか出ずにヒヤヒヤするシーンもあったが、現地9月6日のフィリーズ戦で本塁打を記録。日本時代から続けてきた連続本塁打記録を翌年へと繋ぎ、今年は早々にその記録をまた1年伸ばしてみせた。
NPB記録を超えている“三塁打”
では、そんなイチローがここまで『記録していないもの』というと何があるだろうか。
例えば、三塁打がそのひとつ。昨季までメジャーで96本の三塁打を放っており、日本でも合計23本を記録。プロ3年目の1994年から毎年欠かさず記録しており、連続記録も23年まで伸ばしている。
また、キャリア通算119本の三塁打というのは、日米通算という注釈付きではあるがNPBの歴代1位を超えている数字になる。衰え知らずの脚力を見せるイチローだけに、この数字をどこまで伸ばしていけるのか注目が集まる。
【NPB・通算三塁打ランキング】
1位 115本 福本 豊(1969~1988)
2位 106本 毒島章一(1954~1971)
3位 103本 金田正泰(1942~1957)
4位 99本 川上哲治(1938~1958)
5位 88本 広瀬叔功(1956~1977)
通算本塁打のNPB記録はご覧の通り。上位は30年以上前に活躍した選手たちが占めている。
外野手の守備力向上やシフト、ポジショニングの研究などにより、現代では1週間に1本出るかどうかくらいの頻度になっている三塁打。最近の選手というと、2010年までプレーした村松有人が66本で12位タイにいるのが最高だ。
ちなみに現役選手では、松井稼頭央(現楽天)と川崎宗則(現ソフトバンク)が65本で並んでいる。両者ともメジャーでのプレーを経て現在はNPBに戻ってきており、“村松超え”への期待が高まる。
隠れた大記録も…
ほかには、盗塁も未だ0個のままだ。メジャーだけでも通算508個をマークしており、日米通算では707個を誇る盗塁であるが、意外なことに今季は1つも成功していない(失敗1)。
途中出場がメインとなっているマーリンズ移籍後も、2015年は11個の盗塁を決めており、昨季もちょうど10盗塁。こちらもプロ3年目の1994年から23年連続で2ケタ盗塁を記録中だ。
さらに、あまりスポットの当たらない大記録が『故意四球』である。強打者の証とも言えるこの記録は、いわゆる敬遠された数。こちらも三塁打や盗塁と同じくプロ3年目の1994年から毎年欠かさず記録している。
日本では短いキャリアながら、通算98個の故意四球を記録して歴代13位タイにランクイン。21年間・2578試合プレーした金本知憲と並ぶ数を、わずか9年間・951試合のうちに叩き出しているというのだから驚きだ。
さらにメジャーでも通算で180個の故意四球を記録。これは現役ではアルバート・プホルス(305個)、ミゲル・カブレラ(225個)に次ぐ3番目の記録となっている。あまり注目される記録ではないが、イチローが持つ隠れた大記録なのだ。