ニュース 2017.06.27. 12:00

手術か、保存療法か…野球選手を苦しめる『腰の爆弾』

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ヤクルト・川端慎吾

日本ハム・近藤は手術で今季絶望


 『夢の打率4割』――。大偉業への挑戦は、悔しい形で幕を閉じた。

 「腰部椎間板ヘルニア」で戦線離脱中の日本ハム・近藤健介が、脊椎内視鏡手術(腰椎椎間板ヘルニア摘出術PED法)を受けることを決断。シーズン途中でチームを離れることになった。

 「個人的にも残念な思いはあります」と悔しさを語った24歳であるが、「今後の野球人生を考え、しっかりと治してプレーすることが最善だと思って決断しました」と言うように、まだ若く未来がある選手。不安なく全力でプレーができるように、まずは完治を目指す。


 今季はシーズン開幕からハイペースで安打を重ねつつ、リーグトップの四球56個を記録。50試合で打率.407という驚異的な数字を叩き出し、『夢の4割打者』誕生へ期待が高まっていた。

 ところが、右太ももの故障で6月11日に登録を抹消となると、二軍でのリハビリ中に受けた検査で“腰の爆弾”が発覚。当初は様子を見ながら復帰を目指す方向で進んでいたが、ヘルニアを発表した数日後には手術を受けることを発表した。 


保存療法を選んだ2人


 これまでも多くの野球選手を苦しめてきた腰痛問題。近藤と同じくヘルニアに苦しんでいるのが、ヤクルトの川端慎吾だ。

 燕が誇る天才ヒッターも春季キャンプ中の2月にヘルニアが発覚すると、そのまま本線を離れてリハビリへ。3月には開幕一軍を目標に様子を見ながらの調整を続け、一時は二軍で試合に出場できるまでに回復。3月31日の試合では守備にも就いたが、ハイペースな調整がたたって症状が悪化。5月には手術の可能性が浮上するまでに追い込まれてしまった。

 結局のところ手術は回避し、現在はファームでの実戦復帰に向けて調整中。オールスター前後の一軍復帰を目指し、慎重に調整を進めている。

 また、投手では楽天の塩見貴洋も2月に椎間板ヘルニアを発症した。

 こちらはリハビリとトレーニングを乗り越え、5月31日の巨人戦で復帰。5回を3安打・無失点に抑える好投で、復活をアピールする白星を挙げた。

 ところが、復帰2戦目となる予定だった6月9日の広島戦を腰の張りで回避。現在は再び二軍での調整を強いられている。


3人の道が前例になる


 完治を目指して手術をすると、復帰までには時間を要する。手術を嫌って保存療法を選択すると、今度はいつまた症状が襲ってくるか分からない。どちらにしても“不安”はつきまとう。

 手術を選択した近藤と、保存療法を選択した川端・塩見。選手生命を脅かす故障だけに、同じ年に発症した3人がこれからどのような道を歩んでいくのか、というのは今後の野球界の財産となるだろう。

 「一日も早くファンのみなさんに元気な姿を見せられるように…」。近藤の言葉通り、ファンはグラウンドで躍動する姿を待っている。

 近藤も、川端も、塩見も。全員が一日でも早く、一軍の舞台で元気にプレーできるようになることを願う。



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