勝利の方程式を確立
中日は前カードの阪神戦で、今季2度目の同一カード3連勝を飾った。春先は波に乗れず借金は最大で12あったが、6月はここまで14勝8敗と勝ち越し、借金を4まで減らした。好調の要因は、月間防御率リーグトップの2.90を記録する投手陣だろう。
29日に放送された『ニッポン放送ショウアッププレイボール』に出演した大矢明彦氏は「中日らしさがでてきた。それはどこかというと、ピッチャーが頑張っている。相手の攻撃力を抑えて少ない点数でピッチャーを上手く使って逃げ切っている。したたかな野球をしている強かったときの中日に戻りつつある」と話した。
ここ最近の戦いぶりを見ても、黄金期のように僅差の試合をモノにすることが多い。前カードの阪神戦は初戦が3-1、2戦目が1-0、3戦目が2-0と打線が少ないチャンスをモノにし、そのリードを投手陣が守り抜いた。
守り勝つ野球ができているのも、8回・岩瀬仁紀、9回・田島慎二の“勝利の方程式”を確立したことが大きい。勝ち試合の8回を投げる42歳の大ベテラン・岩瀬は、5月24日のDeNA戦から、現在16試合連続無失点中。前カードの阪神との3連戦は全ての試合で登板し、1イニングをきっちり無失点に抑えた。
守護神の田島は、現在リーグトップの21セーブを記録する。前カードの阪神との3連戦は、3試合ともセーブをマーク。特に1戦目と2戦目はきっちり3人で打ち取り、試合を締めた。ただ、東京ドームでの巨人戦は今季3試合に登板して、0勝2敗、防御率27.00と精彩を欠いている。今後は苦手の東京ドームでも、普段と変わらぬピッチングを見せていきたいところだ。
またリーグ戦、再開後から再びリリーフに回っている又吉克樹が、勝ち試合の7回を任されており、現時点では7回以降の投手継投が固まりつつある。
先発陣も8試合連続でQS中
“勝利の方程式”が確立されただけなく、先発陣も安定してきた。6月17日の西武戦に先発したバルデスが7回を1失点に抑えてから、8試合連続でQS(6回3自責点)を記録中。ちなみに、8試合中7試合で先発投手に白星がついている。
【6月17日以降の先発投手成績】
17日 ○ バルデス 7回 自責1(対西武)
18日 ○ 柳 裕 也 7回 自責3(対西武)
23日 ○ バルデス 8回 自責0(対巨人)
24日 ○ 小笠原慎之介 8回1/3 自責2(対巨人)
25日 - 柳 裕 也 7回 自責2(対巨人)
27日 ○ 鈴木翔太 6回1/3 自責1(対阪神)
28日 ○ ジョーダン 6回2/3 自責0(対阪神)
29日 ○ 大野雄大 6回 自責0(対阪神)
QS記録中の先発陣の顔ぶれを見ると、19歳の小笠原慎之介、22歳の鈴木翔太、23歳の柳裕也といったフレッシュな若手の名前が並ぶ。実績のある吉見一起、山井大介らが二軍で調整する中、若手投手が結果を残していることは、層を厚くなってきている証拠だろう。
現在中日は、3位DeNAに1.5ゲーム差の4位と、CSを狙える位置につける。上位へ進出するためにも、投手陣を中心にした守り勝つ野球を継続していくことがカギを握っていきそうだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)