内野フライでホームに生還
「ドラゴンズは走るというイメージはなかったでしょ。今年の中日は走塁改革をテーマにしてやっていますけど、これは京田のおかげです」。
6月23日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-中日戦』で、プロ野球解説者の山崎武司氏は、このように話した。
4日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)でも、京田の“足”で先制点をもぎ取った。初回の第1打席、俊足を生かして今季26度目の内野安打で出塁。その後、今季15個目の盗塁を決め、大島洋平のライト前ヒットで三塁へ進塁する。
続く4番・ゲレーロの打球は二塁後方への飛球となり、ヤクルトの二塁手・山田哲人が背走して体勢を崩しながら捕球。すると三塁走者の京田がすかさずタッチアップし、先制のホームを踏んだ。内野フライでも虎視眈々と次の塁を狙う姿勢は、他球団にとっても脅威といえるだろう。
“神走塁”を連発
この一戦以外でも、今年は京田の“足”で得点を奪ったシーンは多い。
5月24日のDeNA戦では、ワイルドピッチによりボールが一塁方向へ転々。その間に二塁走者の京田が躊躇することなく三塁ベースを蹴ってホームインしたこともあった。この走塁には、同試合の解説を務めていた野村弘樹氏も「判断と勇気は立派。プロの走塁を見せてもらいました」と京田の判断力を絶賛した。
さらに6月28日の阪神戦、両チーム無得点で迎えた6回に京田が四球で出塁すると、続く亀沢恭平の打席中に二盗。これを刺そうとした捕手・梅野隆太郎の送球がそれた間に、一気に三塁まで進み、大島の二塁打で先制のホームを踏んだ。結局、京田の“足”が呼び込んだこの1点が決勝点となり、中日が勝利を収める。
今季の中日は京田だけでなく、リーグトップタイの16盗塁を記録する大島洋平をはじめ、チーム全体の走塁の意識が変わりつつある。昨季のチーム盗塁数はリーグワースト2位の60盗塁だったが、今季はすでに51盗塁を記録。この数字は、広島に次ぐリーグ2位の数字となっている。ルーキーの京田が、走塁改革を行うチームをけん引する存在となっていることは、間違いない。
(ニッポン放送ショウアップナイター)