激戦・大阪、開幕
夏、到来。全国各地で気温とともに熱い戦いが始まった。
今年は8月7日に開幕する『第99回全国高校野球選手権大会』。聖地・甲子園を目指した戦いも各地方でスタートしている。
なんといっても注目は激戦・大阪。なにせ春のセンバツは決勝戦が“大阪対決”となり、大阪桐蔭が履正社を下して優勝。夏はこのどちらか一方しか甲子園に行けないということで、春の大会終了後から「夏の大阪はとんでもないことになる」という声が多く挙がった。
そんな大阪大会は7月8日から開幕。春夏連覇に挑む大阪桐蔭は初戦で大手前を13-1のコールドで下す好発進。履正社も14日の初戦で常翔啓光学園を9-0のコールドで破っている。
史上初のセンバツ“大阪決戦”を実現させたこの2校が順当に勝ち上がってくるのか。はたまた伏兵の台頭があるのか。激戦区・大阪から目が離せない。
史上初の偉業へ
さて、夏を前に注目が集まる記録と言えば、甲子園の『春夏連覇』だろう。今年は大阪桐蔭が唯一その挑戦権を持っている。
もし達成されれば史上8度目のこととなるが、大阪桐蔭は2012年に1度『春夏連覇』を成し遂げた。複数回の『春夏連覇』を記録したチームというのは未だかつてなく、大阪桐蔭は史上初の偉業に挑むことになる。
100年近い歴史を誇る甲子園において、わずか7校しか達成していない大記録。過去の達成校を振り返ってみよう。
【甲子園・春夏連覇の歴史】
<1962年>
春:作新学園(栃木) 1 - 0 日大三(東京)
夏:作新学院(栃木) 1 - 0 久留米商(福岡)
<1966年>
春:中京商(愛知) 1 - 0 土佐(高知)
夏:中京商(愛知) 3 - 1 松山商(愛媛)
<1979年>
春:箕島(和歌山) 8 - 7 浪商(大阪)
夏:箕島(和歌山) 4 - 3 池田(徳島)
<1987年>
春:PL学園(大阪) 7 - 1 関東一(東東京)
夏:PL学園(大阪) 5 - 2 常総学園(茨城)
<1998年>
春:横浜(神奈川) 3 - 0 関大一(大阪)
夏:横浜(神奈川) 3 - 0 京都成章(京都)
<2010年>
春:興南(沖縄) 10 - 5 日大三(西東京)
夏:興南(沖縄) 13 - 1 東海大相模(神奈川)
<2012年>
春:大阪桐蔭(大阪) 7 - 3 光星学院(青森)
夏:大阪桐蔭(大阪) 3 - 0 光星学院(青森)
最後の春夏連覇が、大エース・藤浪晋太郎(現阪神)を擁した2012年の大阪桐蔭。これだけ難しい記録を連続で、短いスパンで達成するとなったらまさに“偉業”だ。
また、2012年を振り返ってみるとおもしろいのが、春夏ともに決勝のカードが同じだったということ。県勢初優勝を目指した青森の光星学院(現八戸学院光星)だったが、最強・大阪桐蔭を前に2季連続で涙を呑んだ。
プロ野球界で活躍するスターを多く輩出し、今や日本屈指の強豪校として知られる大阪桐蔭。まずは激戦の大阪大会を勝ち抜き、史上初の大記録へ…。今夏の大阪大会から目が離せない。