通算350本塁打を達成した西武・中村剛也(C)KYODO NEWS IMAGES

◆ 稀代のホームラン・アーチスト

 「打ててよかったです」。節目の大記録も、本人の口から出てきたのはいつも通りのコメントだった。

 西武の中村剛也は19日、北九州で行われたソフトバンク戦の5回に今季第20号の本塁打を放ち、これがプロ通算350号。プロ野球史上30人目となる350本塁打を達成した。

 歴代3位となる6度の本塁打王に輝く稀代のホームラン・アーチスト。1394試合目での350発は史上7番目のスピード記録と言うが、本人にとっては“たくさん打ってきた本塁打のうちの1本”に変わりないのだろう。

  プロ3年目の2004年7月24日、西武ドームで行われた近鉄戦で山村和也から放ったレフトへの2ランが第1号。翌2005年の交流戦で12球団最多の12本塁打を放つなどブレイクを果たし、『おかわりくん』の名を世間に轟かせた。

 その後の2年間は故障や不振に苦しむも、2008年にはシーズン46本塁打を放つ大暴れを見せて初めての本塁打王を獲得。再び殻を破った大砲は、球界を代表するスラッガーへと成長を遂げたのだった。

◆ 更なる高みを目指して…

 プロ16年目での記録達成となった中村だが、350本のうち310本は2008年以降に放ったもの。他の選手と比べてみると、その凄まじさがよく分かる。

【直近10年間・通算本塁打ランキング】
1位 310本 中村剛也(西武)
2位 235本 阿部慎之助(巨人)
3位 217本 村田修一(巨人)
4位 199本 バレンティン(ヤクルト)
5位 193本 松田宣浩(ソフトバンク)

 この10年で300本もの本塁打を放ったのは中村だけ。2位・阿部との差は「75」と断トツだ。

 最も評価すべきは、“統一球問題”などで投高打低の時代が続いた2010年代前半にも中村だけは変わらずに本塁打を放っていたという点。それがよく分かるのが、2011年の本塁打ランキングである。

【2011年・プロ野球本塁打ランキング】
1位 48本 中村剛也(西武)
2位 31本 バレンティン(ヤクルト)
3位 25本 松田宣浩(ソフトバンク)
4位 23本 ラミレス(巨人)
4位 23本 畠山和洋(ヤクルト)
6位 20本 阿部慎之助(巨人)
6位 20本 スレッジ(横浜)
6位 20本 村田修一(巨人)
※所属は当時

 この年、シーズン20本塁打以上を放ったのは両リーグ合わせてもこの8名だけ。セの本塁打王・バレンティンでも31本に留まったという異常事態のなか、中村はキャリア最多タイの48本塁打を記録している。ボールの問題などお構いなしにアーチを描き続けた。

 今季もここまで77試合の出場で20本塁打を放ち、ランキングはリーグ4位タイ。本人は記録に無関心だが、見ている側としてはここから400、そして500という大台への挑戦に期待をせずにはいられない。

 若い頃から風格を漂わせていたが、8月15日で34歳。まだまだこれから。「打ててよかったです」のコメントを何回聞くことができるのか、今後の積み上げに期待したい。

この記事を書いたのは

ベースボールキング編集部

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