ドジャースのジャスティン・ターナー

◆ ドジャースが強すぎる

 前田健太が所属しているため、日本でも注目度が高いチームのひとつであるロサンゼルス・ドジャース。今季はここまで66勝31敗の貯金35でナ・リーグ西地区の首位を独走。勝率.680はメジャー全体でもトップという圧巻の強さを見せつけている。

 現地時間21日(日本時間22日)のブレーブス戦では3-12で敗れたが、なんとこれが現地6月4日~6日の3連敗以来となる連敗。約1カ月半もの間連敗がなく、7月はここまで13勝3敗という驚異的な戦績だ。

 ドジャースの強みと言えば、ここまでメジャートップの15勝(2敗)をマークしている大黒柱にクレイトン・カーショーや、39試合の登板で4勝負けなしの24セーブ、防御率は0.88と抜群の安定感を誇る守護神のケンリー・ジャンセンを中心とした投手陣がまず思い浮かぶ。

 そこに今季はメジャー1年目ながら27本塁打を放っているコディー・ベリンジャーという打の新星が登場し、昨季の新人王コリー・シーガーも打率3割に15発を記録するなど若手野手たちが躍動。安定の投手陣と勢いある野手陣が絶妙のバランスで機能しているのだ。

◆ 勝利への使者?

 そんな若くフレッシュな野手陣のなかで、一際輝きを放つ“苦労人”がいる。32歳のジャスティン・ターナーだ。

 「3番・三塁」を主戦場に、今季はここまで.371のハイアベレージをマーク。これは2位のダニエル・マーフィー(ナショナルズ/.342)を大きく離してリーグトップの成績となっている。

 11本塁打で40打点と打率以外の部分の面では多少物足りなさを感じるかもしれないが、今季ターナーが本塁打を放った試合は10勝0敗の負けなし。打点を挙げた試合も22勝3敗と、しっかりと勝利に直結する活躍を見せているのだ。

 故障により5月から6月にかけて約3週間戦列を離れていたが、ターナーが復帰してからのチームは30勝6敗。チームに欠かせない男であることがお分かりいただけただろう。

◆ 『.370』というハードル

 快進撃を続けるチームのなかで、ターナー個人にかかる記録にも注目が集まっている。

 ここまで.371という高打率を残しているが、実はこの『.370』というハードルは意外と高い。1942年以降の75年間でも越えた者は11人しかおらず、ターナーと同じ右打者に限ればアンドレス・ガララーガ(ロッキーズ/1993年)とノマー・ガルシアパーラ(レッドソックス/2000年)の2人しかいないのだ。

 もちろん、この打率をこのまま保つというのは容易なことではない。2014年に.340という高打率を残しているターナーであるが、その年は規定打席に到達しなかった。それどころか、ターナーが規定打席に到達したのは過去8年のキャリアで昨季が初めてで、最終的な打率は.275だった。シーズンも佳境に差し掛かり疲れも出て来るなか、いかにこの調子を保っていけるかがカギとなる。

 ちなみに、最後に『.370』をクリアした選手というのが、2004年のイチロー(当時マリナーズ)である。あの262安打を放った“伝説のシーズン”を最後に、この数字を超えた者は出ていない。

 イチロー以来、13年ぶりの好記録は誕生するのか。強すぎるドジャースの戦いぶりとともに、打線を牽引するターナーの打棒にも注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。 野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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