再び注目を集める『高校通算本塁打』
各地で甲子園を目指した熱戦が繰り広げられている今日この頃。今年の高校球界で最も注目を集めている男といえば、やはり早稲田実の清宮幸太郎だろう。
7月21日に行われた西東京大会の5回戦では、3打数3安打3打点の活躍で勝利に貢献。3回の第2打席で先制2ランを放ち、積み上げてきた高校通算本塁打を「106」とした。
これにより、2012年に山本大貴(神港学園)が記録した歴代最多の107本に王手。高校最強スラッガーの座も目前に迫ってきているのだが、実はこの山本という選手はプロには進んでいない。
ドラフトの時期になると、何かと耳にすることも多くなる『高校通算●発』という触れ込み。確かに“引き”としては分かりやすい数字なのかもしれないが、その看板だけでプロでも即通用できるかというと、それほど甘いものではないということだ。
【高校通算本塁打トップ10】
1位 107本 山本大貴(神港学園/2012年)
2位 106本 清宮幸太郎(早稲田実/2017年) ※現役
3位 97 本 黒瀬健太(初芝橋本/2015年)⇒ ソフトバンク
4位 94 本 伊藤涼介(神港学園/2010年)
5位 87 本 中田 翔(大阪桐蔭/2007年)⇒ 日本ハム
6位 86 本 大島裕行(埼玉栄/1999年)⇒ 西武(引退)
7位 85 本 横川 駿(神港学園/2011年)
8位 83 本 鈴木 健(浦和学院/1987年)⇒ 西武、ヤクルト(引退)
8位 83 本 中村剛也(大阪桐蔭/2001年)⇒ 西武
10位 73本 岡本和真(智弁学園/2014年)⇒ 巨人
こちらが7月22日現の高校通算本塁打トップ10。この中で、その後プロに進んだ選手は6名。うち2名がすでに現役を引退しており、現役選手は4名となっている。では、彼らのプロでの通算本塁打はどれくらいになっているのだろうか。以下にまとめてみた。
【高校通算本塁打ランカーのプロ通算本塁打】
350本 中村剛也(西武)
189本 鈴木 健(西武、ヤクルト)
172本 中田 翔(日本ハム)
23 本 大島裕行(西武)
1 本 岡本和真(巨人)
0 本 黒瀬健太(ソフトバンク)※一軍出場なし
こうして見ると、高校時代に放った本塁打数を超えているのは半数の3名。中村や中田はチームの主砲としての活躍を見せている中、鈴木や大島といったところはプロ入り後に中距離打者へとモデルチェンジして活躍を見せた。
あとはプロ3年目の岡本、2年目の黒瀬がどこまで数字を伸ばしていけるのか。まずは“高校通算超え”を目標として突き進んでもらいたい。