足を使える選手が少ない巨人
巨人は、前半戦最後となった7月12日のヤクルト戦で、開幕から三塁でスタメン出場を続けていたマギーが二塁で出場し、一塁に阿部慎之助、三塁に村田修一と、攻撃力のある3人を同時に起用するようになった。
打線は6月までチーム打率.239、リーグワーストの226得点だったが、7月以降はチーム打率リーグ2位の.278、133得点と向上。“超攻撃力”のオーダーが機能している一方で、足を使える選手が少ないのは気になるところ。
【巨人の基本オーダーと盗塁数】
(中)陽岱鋼 3盗塁
(二)マギー 4盗塁
(遊)坂 本 11盗塁
(一)阿 部 0盗塁
(三)村 田 0盗塁
(右)長 野 6盗塁
(左)亀 井 0盗塁
(捕)小 林 2盗塁
盗塁数が少なくても得点力が向上しており、現時点ではプラスに働いている。ただ、試合終盤1点を争う展開になった時に、足を使える選手が少なく、代走を送らなければいけないのが現状だ。
3日のヤクルト戦では、2点ビハインドの9回に一死走者なしから阿部慎之助がヒットで出塁すると、代走に寺内崇幸が送られる。続く村田修一もセンター前に運ぶと、ここでも重信慎之介が代走で登場した。さらに、併殺崩れで一塁に残った亀井に代わり、代走に中井大介が起用された。
同日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター ヤクルト-巨人戦』で解説を務めた山本昌氏は「最終回に3人に代走出さなきゃいけないのは、寂しいところではありますよね」と残念がった。
山崎氏も巨人の走塁に苦言
4日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-中日戦』で解説を務めた山崎武司氏も、同日に行われた中日戦の1点リードの初回一死一塁で阿部慎之助が、セカンドライナーを放ったときの一塁走者・坂本勇人の走塁と、4回一死一、二塁から中井大介の二塁内野安打を放ったときの二塁走者・村田修一の走塁に苦言。
山崎氏は「(次の塁に)いける、いけないじゃなくて、その出来事を見ているか見てないか、これって非常に大きい。ジャイアンツの走塁は凡ミスがあったように見えますよね」と厳しかった。
山崎氏が指摘した2日後の6日の中日戦でも凡ミス。1点を追う9回一死一、二塁の場面で坂本の中飛で、二塁走者の陽岱鋼、一塁走者の重信はしっかりと帰塁しているように見えたが、帰塁の際に重信が二塁ベースに触れていなかったことが判明。中日側のアピールプレーが認められ、最後は併殺で試合終了となった。
極端に足を使える選手が少ないことに加え、走塁意識にやや欠ける巨人。“攻撃型オーダー”で攻撃力はあがったが、ひとつの走塁が勝敗を分けることがあるだけに、“走塁”に対する意識を高めるべきだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)