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通算打率.152・本塁打1の男が見せた“進化の片りん”

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一軍昇格初日の第1打席で結果を残した西武・永江恭平(C)KYODO NEWS IMAGES

若獅子軍団の新たな希望


 “赤い西武”の勢いが止まらない。

 8月15日の楽天戦。16安打・17得点の大勝で貯金を「20」に乗せた西武。あまりにも皆が打ちすぎたために個々の印象は薄くなりがちだが、ファンの心に強烈なインパクトを残した一打があった。この日一軍昇格したばかりだった、永江恭平の本塁打である。


 長崎・海星高から2011年のドラフト4位で入団し、今年で6年目。アクロバティックな守備と強肩は一軍の中でも目を見張るものがあり、プロ入りから昨季までの間に319試合の一軍出場を果たした。

 しかし、その一方でからっきしだったのが打撃。昨年までの5年間通算で289打数44安打の打率.152。本塁打もプロ3年目に西野勇士から放った一本のみ。いつしか守備専門的な起用が主となり、一軍で打席に立つ機会も減少。そんな悪循環もあり、若くして“守備の人”への道を歩まざるを得なかった。

 その素質、野球センスは誰もが認める。前指揮官の田辺徳雄氏も「.250打てれば1億円プレーヤーになれる」と評したことがあり、現監督の辻発彦も就任直後の秋のキャンプで直接指導をした際に「『永江を打てるようにしたらノーベル賞もの』と(鈴木葉留彦本部長から)言われた」というやり取りを明かし、ファンの間でも話題になった。

 そんな永江が、一軍昇格当日に迎えた最初の打席でライトスタンドにアーチを架けた。失礼な話であるが、見ている誰もが“まさか”と思ったに違いない。


外崎につづけ…!


 前を打つ山川穂高が勝ち越し弾を放った直後の打席、その初球。落ちきらなかったフォークボールを捉えての一撃。これを“事故”と言ってしまうのはかんたんだが、そんな一言で済ませていいものなのだろうか…。

 実は“予兆”はあった。ファームでは34試合の出場で過去最高に迫る.263の打率を残し、本塁打6はキャリア最多。特に8月は出場7試合で.375(24-9)というハイアベレージを残し、2本塁打で打点7という大活躍。覚醒の兆しを漂わせていたところで、一軍からお呼びがかかったのだ。

 15日の一軍復帰戦は本塁打だけでなく、8回の第3打席にはライトへの適時打も記録。守備からの途中出場ながら3打数2安打2打点の活躍を見せ、課題とされていたバットの方で鮮烈なアピールを見せた。


 この永江の姿と重なるのが、昨年の外崎修汰である。

 俊足とユーテリティ性を買われて一軍には置かれるものの、打率は1割台というシーズンが続いていた外崎。それが今年に入ると打撃開眼。過去2シーズンを超える96試合の出場を果たし、打率は.248も本塁打は2ケタ・10本に到達。下位打線で存在感を発揮している。

 そんな外崎も、昨年の8月終わりから9月にかけてファームで爆発。8月28日から9月10日までの7試合で7発と打ちまくり、9月は月間打率.391、リーグトップの5本塁打、9打点に6盗塁の大暴れでファームの月間MVPも獲得した。

 この活躍が目に留まり、シーズン最終盤の9月25日に一軍昇格を果たすと、その日のソフトバンク戦であのバンデンハークから1号3ラン。さらに続く9月27日の日本ハム戦でも吉川光夫から2ランを放ち、2試合連発を記録。最後の最後で爪痕を残した。

 外崎も一時は遊撃手の候補として期待されたが、源田が出現した今季は主に外野手として出場中。こんな部分でも、永江と被るところがある。

 一時の“確変”とは言わせない。好スタートを切った時ほど、その後が大事になってくる。かつて松井稼頭央や浅村栄斗も背負った「32」を背に、生まれ変わろうとしている永江恭平に注目だ。


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