平井克典
7月6日の日本ハム戦でプロ初勝利を挙げた西武・平井=札幌ドーム

◆ 13試合連続無失点登板で防御率0.92

 西武のオールドルーキーが渋い活躍を見せている。ドラフト5位で入団した25歳、平井克典だ。

 飛龍高時代は控え投手。愛知産業大ではチームの1部リーグ昇格などに貢献するも企業チームからのオファーはなくHonda鈴鹿に自ら売り込んで採用された。社会人1年目に結果を残せずオーバースローからサイド気味のスリークォーターに転向。すると、3年目に頭角を現し、第58回JABA長野大会でMVPを獲得。そして、遅咲きの苦労人はついにプロ入りを果たした。

 平井の尻上がりの成長はプロ入り後も止まらない。5月23日に一軍初昇格を果たすと、中継ぎ投手としてコンスタントに登板を続け、ここまで27試合に登板して1勝0敗1ホールドをマーク。目を引くのは、29回1/3を投げて27奪三振という奪三振力と、わずか6与四球という制球力だ。その安定感を武器に、7月9日の楽天戦から13試合連続無失点登板を続けており、8月13日のロッテ戦で防御率はついに0点台に突入。現在の防御率は、なんと0.92だ。

 なにより素晴らしいのは.065という得点圏被打率である。得点圏に走者を背負った場面で35人の打者と対戦し、四球が4、許した安打はわずか2。ピンチであっても落ち着いた投球ができるのは、苦労を重ねてきたチーム最年長ルーキーだからこそだろう。

 平井の最大の武器はキレ味鋭いスライダー。その威力を最大限に生かすため、内角への強気の投球も持ち味だ。入団時には「どんな強打者にも臆することなくずかずか攻める熱いプレースタイルを見てほしい」と発言している。

◆ 完璧な火消しで呼び込んだ逆転勝利

 8月13日のロッテ戦でも、ピンチに強く、強気の攻めが信条の平井らしい投球が光った。2点リードで迎えた6回、先発のファイフが突如乱れて3失点。逆転され、なお無死一、三塁という場面で平井はマウンドへ上がった。直後に対戦した田村龍弘はスクイズ失敗。運にも助けられたが、その後は“らしさ”を発揮し、三木亮を外角スライダー、荻野貴司を内角ストレートでともに空振り三振に斬って取った。逆転を許し、そのままたたみかけられていれば試合展開は苦しくなっていたところ。平井の見事な火消しが終盤での逆転勝利につながった。

 ここまでの平井の登板は大量リードやビハインドの場面がほとんど。大きな注目を集めることは少ない。しかし、前の投手が走者を残して降板した場面を最小限のダメージに抑えて逆転につなげたり、勝ちパターンの中継ぎ投手を休ませたりと、平井のような存在が現在の西武の“逆襲”を支えていることは間違いない。
※数字は2017年8月16日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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清家茂樹

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