2夜連続の劇勝
巨人に痛恨の3連敗を喫し、ホームに戻ってきたDeNA。首位を快走する広島を前に苦戦を強いられたが、22日の初戦は2-5で迎えた9回に筒香・ロペス・宮崎の3連発で一挙4得点。劇的すぎる逆転サヨナラ勝ちを収め、土壇場で連敗をストップした。
すると23日の試合でも、一時は0-5とリードを許しながら徐々に相手を追い詰めると、9回二死からロペスが2夜連続となる同点弾。ギリギリのところで延長戦へ持ち込むと、10回に梶谷の適時打で2試合連続のサヨナラ勝ち。価値ある連勝で首位チーム相手に勝ち越しを決めた。
カード3連勝がかかる24日の試合は、2年目左腕の今永昇太が先発。後半戦エース級のはたらきを見せる男に重要な一戦を託す。
カギは『ティー打撃』&『低めに投げない』!?
今永は7月17日のヤクルト戦から破竹の5連勝中。昨年届かなかった自身初の2ケタ・10勝は、球団の左腕では2005年の土肥義弘以来で12年ぶり・10人目という快挙。クライマックスシリーズ争いを繰り広げるチームを支えている。
ルーキーイヤーの昨季は22試合に登板して8勝、防御率2.93という奮闘を見せながら負け数は勝ち星を上回る9つ。特に序盤は好投しても援護に恵まれないというシーンが度々見られ、苦しいシーズンを送った。
今季も最初の出だしの7試合で1勝3敗と白星が遠い時期を過ごした今永。そんな中で左腕が取り組んだのが、なんと打撃のティーバッティングだったという。
グラブとボールを一旦置いて、ピッチングのことはアタマから消す。シンプルに重心を意識したティー打撃に臨み、体重移動を繰り返すことでピッチングにおける本来の感覚を取り戻した。
もうひとつは、『低めに投げない』という意識。真逆の発想のように感じるかもしれないが、これは低めを意識しすぎて置きにいったボールを打たれるケースが多かったため。それならば、いっそ力のあるボールを意図して高めに投げる。開き直った大胆さを持つことで、思い切った投球ができるようになった。
CSを勝ち上がるために、セ・リーグ首位を快走する広島は避けて通れない相手。この終盤戦でいかに嫌な印象を植え付けておくか、というのが後の短期決戦に向けた大きなカギとなる。
カード3連勝はもちろん、それ以上に大きな意味を持つ対戦。このあと18時開始の試合で今永が広島相手にどんな投球を見せるのか、注目だ。