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中日・山井大介が打ち立てた“歴代2位”の記録

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プロ初本塁打を放った中日・山井大介(C)KYODO NEWS IMAGES

驚きの一撃


 8月31日に行われた中日-DeNAの一戦で、プロ野球歴代2位の記録が誕生した。

 1-0と中日リードの5回裏、二死走者なしで打席には9番の山井大介。DeNA・先発の今永昇太が投じた高めの速球を思い切り引っ叩くと、打球はぐんぐん伸びてレフトスタンドへ。これがプロ16年目・39歳にして放った初めての本塁打だった。

 39歳でのプロ初本塁打というのは、23年目・41歳で初本塁打を記録した工藤公康(当時巨人)に次ぐ歴代2位の記録。“本業”の方でも今季初登板ながら7回途中1失点の力投で初勝利と、投打に渡る活躍でチームに勝利を呼び込んだ。


200勝を決める劇的な一打


 では、歴代1位の記録はいかにして誕生したのか。工藤公康の初本塁打を振り返ってみたい。

 1981年のドラフト6位で西武に入団した工藤。1995年からはFAでダイエーに移籍し、2000年に巨人へ移るまでの18年間を打席に入らないパ・リーグで過ごした。

 そのため、打撃に関してはさっぱり。と言うのも、移籍した2000年から2002年に跨いで84打席連続無安打というセ・リーグ記録を作ってしまうほど。“本業”では豊富な経験でチームに貢献していた一方、打席ではとことん苦しんでいた。


 それが巨人に移籍して4年目の2004年・夏、8月17日のヤクルト戦でその瞬間が訪れる。

 この日の注目ポイントは、何と言っても工藤の200勝への挑戦。この日までに199勝を積み上げた左腕は、41歳3カ月での“歴代最年長200勝”に挑んでいた。

 1-1で迎えた7回、工藤はヤクルトに勝ち越し点を許すも、直後の裏に味方が同点に追いつくと、二死二塁のチャンスで工藤に打順が回ってくる。

 ここで巨人ベンチは工藤の続投を決断。そのまま打席に立たせた。大記録達成を願う大観衆の声援を背に、ベバリンが投じた3ボール・1ストライクからの高め速球をフルスイングすると、高々と舞い上がった打球は右翼手の頭上を越えてスタンドへ。なんと自身の200勝がかかった大一番で、プロ初本塁打を放ったのだった。

 飛び跳ねるように喜びを爆発させながらダイヤモンドを一周した工藤は、そのまま8回・9回を投げぬき完投勝利。史上最年長で通算200勝の偉業を達成した。


工藤を超えた男


 なお、日本では工藤が歴代1位となっているが、海の向こうメジャーリーグではこの記録を上回った男がいる。

 記録が誕生したのは昨年5月7日のこと。当時メッツに在籍していたバートロ・コローンが、42歳11カ月にしてメジャー初本塁打を放ったのだ。

 コロコロとした太めの体型で多くのファンから愛されている大ベテラン。この日先発した右腕は2-0とリードして迎えた2回、二死二塁の場面で打席へ。それまでシーズン無安打だった男は初球の真ん中速球を積極的に打ちに行くと、痛烈な打球がレフトスタンドへと吸い込まれた。

 これには実況・解説・観客が思わず叫び、場内熱狂。ベンチは大爆笑で一斉にダグアウトに引き上げ、コローンが無人のベンチに帰ってくると隠れていた選手たちが次々に飛び出し、まるでサヨナラ打を放ったかのような手洗い祝福で讃えた。

 興奮が止まらない実況アナは「メジャー史上最も偉大な瞬間のひとつだ」と語り、この実況も含めて2016年メジャーリーグの名シーンとして人々の心に刻まれている。


 山井の活躍によって、掘り起こされた工藤の大記録。果たして、今後この記録を更新する選手は現れるのだろうか…。


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