「広島は完ぺきなチーム」
優勝を目前に控えた相手を前に、アレックス・ラミレス監督はただただ脱帽した。
昨季は就任1年目にして球団史上初のクライマックスシリーズ進出へと導く快挙を達成。2年目を迎える今季は優勝を目指してスタートしたが、今年も広島に独走を許してしまう。
それどころか、チームは一時2位に立ちながらもその座を守ることができず、今度は下から巨人の猛追を受けて3位からも陥落。現在は1ゲーム差の4位に後退し、2年連続のCS出場に暗雲が立ち込めている状況だ。
「広島は2年連続で完ぺきなチーム」。指揮官のことばは敬意に満ちあふれていた。
「投手陣は素晴らしく、打線も非の打ち所がない。4番(=鈴木誠也)がケガでいなくなっても、代わりの選手がそれ以上に打つ。誰が出ても強い」と敵ながらあっぱれ。今季唯一広島を相手に勝ち越しているチームの指揮官ですら、広島に対しては“嫌な思い出”ばかりが溢れ出てくる。
巨人・阪神を越えていけ
広島との3連戦に負け越したDeNAだが、下を向いている時間はない。16日からは東京ドームで巨人との2連戦が待っている。1ゲーム差で迎える今季最後の直接対決、逆転のためには連勝しかない。
今季の対巨人は8勝14敗1分で負け越しが決定済み。それでも、前回対戦の9月3日はルーキー・浜口遥大の魂の力投もあって1点のリードを死守。1-0の勝利で巨人戦の連敗を7でストップした。苦しみながらも嫌な流れを断ち切ることができたのは、この最後の2連戦に向けて大きな収穫となったに違いない。
そして、巨人との連戦の後は横浜でヤクルトと戦い、そこから4試合空いて今度は名古屋で中日戦。6日間で2試合という変則日程の後に待ち受けるのが、阪神との5試合だ。
24日から甲子園で2連戦の後、移動日を挟んで横浜で3連戦。今季は対阪神も7勝13敗と分が悪く、今月も8日から10日にかけて甲子園で3タテを食らったばかり。CS進出をかけたサバイバルを勝ち残るためには、巨人だけでなく5試合も残っている“天敵”阪神との戦いも重要になる。
「広島から唯一勝ち越している」というアドバンテージを活かすためには、阪神と巨人の上位陣を叩いて勝ち進むしか道はない。正念場を迎えた2年目のラミレスDeNAが、絶対に負けられない戦いに挑む。