◆ 過去7人しか達成していない偉業
優勝を決めたばかりのソフトバンクに激震が走った。
20日の試合で柳田悠岐がファウルを打った際に体を痛め、直後の守備から途中交代。明けて21日に札幌市内の病院でMRI検査を受けたところ、『右腹斜筋損傷』『肋間筋損傷Ⅱ度』と診断された。球団発表によると、「全治3週間の見込み」だという。
今季は130試合の出場でリーグ2位の打率.310をマーク。本塁打もリーグ3位の31本塁打、打点もリーグ2位の99打点と主要3部門すべてでトップ3以内にランクインを果たしており、三冠王への期待も高まっていた。
しかし、今回のケガによってシーズン中の復帰は絶望的。回復が早くとも無理をせずに10月18日(水)に開幕するクライマックスシリーズのファイナルステージに照準を合わせる線が濃厚で、13年ぶりの三冠王誕生は残念ながら見られそうもない。
【プロ野球・歴代三冠王】
中島治康(巨 人) 1938秋 打率.361 本塁打10 打点38
野村克也(南 海) 1965年 打率.320 本塁打42 打点110
王 貞治(巨 人) 1973年 打率.355 本塁打51 打点114
王 貞治(巨 人) 1974年 打率.332 本塁打49 打点107
落合博満(ロッテ) 1982年 打率.325 本塁打32 打点99
ブーマー(阪 急) 1984年 打率.355 本塁打37 打点130
バース (阪 神) 1985年 打率.350 本塁打54 打点134
落合博満(ロッテ) 1985年 打率.367 本塁打52 打点146
落合博満(ロッテ) 1986年 打率.360 本塁打50 打点116
バース (阪 神) 1986年 打率.389 本塁打47 打点109
松中信彦(ダイエー)2004年 打率.358 本塁打44 打点120 [※本塁打は1位タイ]
◆ 『平成2人目の三冠王』へ
過去に11度達成された三冠王だが、達成者でみると7人しかいない。最後の達成者は2004年の松中(ダイエー)となっているが、その前はと言うと1986年の落合博満(ロッテ)とバース(阪神)までさかのぼる。“平成”になってからの三冠王は松中ただ一人だ。
今年で29年目を迎えた平成の年号であるが、昨年8月に天皇陛下が生前退位の意向がにじむお気持ちを表明されたことにより、2019年から新年号に変わる方向で対応が進められている。ということは、このままいくと松中に続くチャンスは来シーズンしかないということになる。
柳田の偉業への挑戦が不本意な形で終わってしまったのは残念な限りであるが、チャンスはもう1年ある。ラストチャンス(※予定)となる来季に松中以来となる『平成2人目の三冠王』となることができるか…。悔しさをバネにまたひと回り進化した柳田に期待したい。