7回以降は完璧だった救援陣
「そこがうちの一番の強み。7回以降は9人で終わったのですかね?ほぼ完璧でした」。
9月30日の巨人戦に勝利し、2位を確定させた阪神の金本知憲監督が、試合後にリリーフ陣を絶賛した。
同一シーズンに5人の投手が60試合登板以上、6人の投手が50試合以上に登板するというプロ野球史上初となる記録を打ち立てた阪神の救援陣。登板数だけでなく、チームの救援防御率リーグトップの2.65と、抜群の安定感を誇る。
30日の巨人戦でも、リリーフ陣の働きぶりが光った。1点リードの6回からマウンドにあがった藤川球児が暴投振り逃げと死球で走者を背負ったが無失点で切り抜けると、7回からは桑原謙太朗、マテオ、ドリスが打者3人ずつに抑え、巨人に反撃の隙すら与えなかった。
層の厚い救援陣
金本監督は救援陣が「一番の強み」と話したように、今年の阪神は勝ちパターンで投げる投手だけでなく、ビハインドゲームで投げる投手のレベルが非常に高い。
9月18日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 阪神-広島戦』で解説を務めた田尾安志氏は「劣勢のときに投げる石崎のレベルがあがっているので、いいゲームができている」と評価する。
その石崎剛は8月9日に初昇格すると、ビハインドゲームを中心に24試合に登板して防御率1.26の成績を残す。150キロを超すストレートを武器に打者をねじ伏せる石崎は、他球団であれば“勝利の方程式”で投げていてもおかしくない存在だ。
また、9月30日の巨人戦で1イニングを無失点に抑えたベテラン・藤川の存在を忘れてはならない。阪神に復帰した昨季は先発とリリーフの両方をこなしたが、今季はリリーフに専念。かつては抑えを務めた藤川は、ビハインドゲーム、ロングリリーフ、イニングまたぎと様々な役割を担いチームを支えている。
この働きに9月30日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 阪神-巨人戦』で解説を務めた野村弘樹氏は「仕事量を考えるとよく頑張っていますよ」と労った。
その他にも先発からリリーフに転向し開花した岩崎優、7年ぶりに60試合以上の登板を達成した高橋聡文なども控えている。若手野手陣に注目が集まりがちな阪神だが、縁の下の力もちとしてチームを支えるリリーフ陣があってこその今年の順位といえそうだ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)