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ホールドって何だ…?“日陰の記録”に光を当てた2人の鉄腕

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昨季通算200ホールドを達成するなど、復活の兆しも見せた中日・浅尾拓也(C)KYODO NEWS IMAGES

2年の足踏みを経て…


 10月1日、神宮球場で行われたヤクルト-中日の一戦。3-3の同点で迎えた7回裏、中日は谷元圭介をマウンドへ。打者2人をかんたんにアウトに取ると、ここで投手交代が告げられた。

 次打者も右の広岡大志。そして、代わって登場したのはやはり右腕の浅尾拓也。ほとんどのファンは「?」を頭に浮かべたのではないだろうか。

 期待の若手を空振り三振に斬り、そのアウトひとつで降板となった右腕。しかし、試合終了後にはレフトスタンドのファンに向けた挨拶を先頭に立って行い、その後のヒーローインタビューにも呼び出された。

 「?」を浮かべたファンはようやくそこで、浅尾が取った1つのアウトの意味を知ることになる。右腕はあの1つのアウトで2年ぶりとなるホールドを記録し、それにより通算200ホールドの大記録を達成したのだ。

 かつては中継ぎ投手としては異例のシーズンMVPに輝くなど、強かった時期を支えた功労者。しかし、そのフル回転の代償は大きく、右肩が悲鳴をあげた。2012年から大幅に登板数を減らすと、昨季はついに一軍登板なし。2015年に王手をかけた200ホールドを達成するまでに2年の足踏みを要した。


ホールドって何だ…?


 そもそも、ホールドとは一体どういう記録なのか。投手の分業制が進む間に一気に浸透してきた数字とはいえ、細かい意味や条件などを説明できるという人は意外と少ないのではないか。

【ホールドとは…】
▼ 権利を得るための条件
(1)先発投手、勝利投手、敗戦投手のいずれにも該当せず、セーブも記録していない
(2)自チームの最終守備イニングの3アウト目を取った投手でない
(3)アウトを1つ以上取っている
(4)降板した後、自身に記録された失点によって同点となったり、逆転されたりしていない

▼ 上の条件を満たした状態で以下のいずれかを達成する
(1)自チームがリードしている場合…
 <1> 3点以内のリードで1イニング以上を投げる
 <2> 迎える2打者に連続本塁打を浴びたら同点または逆転される場面で登板する
 <3> 点差に関わらずリード時に登板し、3イニング以上を投げる

(2)同点の場合…
 <1> 同点のまま、失点せずに降板する
 <2> 登板中に自チームが勝ち越した場合は、リードを保って降板する


 実はこんなにも細かな条件が存在しているのだ。10月1日の浅尾は4つの最低条件を満たし、(2)の<1>をクリアしたためにホールドが記録された。


歴代トップの座が入れ替わる!?


 長い歴史の中でも、通算200ホールドを記録しているのは3人だけ。1人は歴代トップの273ホールドを誇る巨人の山口鉄也。もう一人は浅尾が足踏みをしていた2016年に日本ハムの宮西尚生が記録している。

 宮西はルーキーイヤーから今季まで10年連続で50試合以上の登板を果たしており、これは中日・岩瀬仁紀以来となる2人目の快挙。今季も25個のホールドを積み上げ、山口に次ぐ史上2人目の250ホールドを達成した。

 トップを快走していた山口も勤続疲労に苦しみ、今季はわずか18試合の登板で3ホールドに終わった。足踏みをしている間に宮西が16個差まで詰め寄っており、歴代トップ逆転も射程圏に捉えている。

【通算ホールド数ランキング】
1位 273 山口鉄也(巨人)
2位 257 宮西尚生(日本ハム)
3位 200 浅尾拓也(中日)
4位 157 五十嵐亮太(ソフトバンク)
5位 150 マシソン(巨人)

 現代野球において欠かせない存在でありながら、まだまだストッパーのセーブと比べて日の当たらない記録となっている『ホールド』。しかし、これだけ歴代記録の上位を現役選手が占める記録というのはなかなかない。

 今後も激しいデッドヒートが続いていくであろう『ホールド』に注目だ。


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