菊池雄星 ,
西武・菊池雄星(C)KYODO NEWS IMAGES

 4年ぶりのクライマックスシリーズに臨む西武。悲願の逆転日本一へ、エース・菊池雄星に大事な初戦を託す。

 楽天へFA移籍した岸孝之の後継エースとして期待された今季、菊池はシーズンを通して大車輪の活躍。26試合に登板し、16勝6敗、防御率1.97をマークし、最優秀防御率と最多勝利の二冠に輝いた。

 ことに、楽天戦においては今季8戦全勝で、防御率0.82。3度完投し、うち2度が完封勝利と“お得意様”だが、「今までと同じ攻め方をしていたら打たれる。相手は則本さんですし、先制点を与えてしまうとギアをあげてくると思うので、なんとか先制点だけは防いで粘り強く投げられれば」と警戒した。

 「初戦を取るのと、落とすのでは勢いも変わってきますし、大事な試合」とエースは自分の任された立場をしっかり理解している。それでも、「チームのためというのは大事だが、あまり背負い込んでも。自分のある力を出せればいい」とあくまで“平常心”だ。

 指揮官も「いつも通り投げてくれれば」とエースに全幅の信頼を寄せる。

 6月に森慎二投手コーチが急逝。8月には不正投球を指摘されるなど、菊池にとって順風満帆なシーズンではなかった。しかし、菊池の活躍もあり、リーグ優勝こそ叶わなかったものの、日本一を狙える位置につけた。

 「一年間色んなことがありましたけど、しっかり乗り越えてこれたので、自信を持って自分の力を信じて投げられれば。先にマウンドは降りたくない」

 レオのエースは冷静な口ぶりで語ったが、その瞳の奥では闘志が真っ赤に燃えたぎっていた。

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