左右の中継ぎが活躍
セ・パ共にクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが終わり、いよいよ18日からファイナルステージに突入する。
2年連続でファイナルステージ進出を果たしたDeNA に対して、楽天は日本一に輝いた2013年以来4年ぶりのファイナルステージ。ファーストステージの勝ち上がりとなるとCSに初めて出場した2009年以来となる。
その楽天は、ファーストステージ第2戦で先発の岸孝之が好投し、第3戦ではウィーラーが3安打2打点の活躍を見せてチームを勝利に導いたが、ファーストステージの3試合で渋い働きを見せていたのが、高梨雄平と宋家豪の左右の両中継ぎだ。
ドラフト9位のルーキー左腕
昨秋のドラフトで楽天から9位指名を受けて入団した左腕の高梨は、変則的な横手モーションから、ストレート、スライダー、シュートを投げ分け、ルーキーイヤーから46試合に登板。防御率1.03、対左打者の被打率.133と好成績を残した。特にスライダーは被打率.104と絶対的な武器になっている。
ファーストステージは全3試合でマウンドに上がり、左打者を中心に1回2/3を投げて被安打0、2三振の無失点という成績だった。圧巻だったのが第3戦の5回、1点差に迫られてなおも二死3塁で首位打者の秋山翔吾を迎えた場面。先発・美馬の後を受けた高梨が外角のスライダーで空振り三振に切ってとり、傾きかけた流れを渡さなかった。
ファイナルステージで戦うソフトバンクの左打者では、上林誠知と明石健志の2人が左投手をやや苦手にしている印象。ちなみに、中村晃とは今季3度対戦して被安打0の1奪三振と抑えている。ファイナルステージでも対左の勝負所で高梨が起用されることになるだろう。
▼ソフトバンク主力打者の対左打率/シーズン打率
中村 晃:率.263(118-31) 1本/率.270(511-138) 6本
上林誠知:率.212( 85-18) 0本/率.260(415-108) 13本
明石健志:率.204( 49-10) 0本/率.279(290- 81) 1本
柳田悠岐:率.340(106-36) 9本/率.310(448-139) 31本 ※欠場
育成枠から現れた新右腕
一方、台湾出身の本格派右腕・宋家豪は、ファーストステージで2試合に登板。2回を投げて被安打1、無失点の2三振で、第3戦では勝利投手になった。
入団2年目の今季は、育成枠から昇格し、レギュラーシーズンはわずか5試合の登板だったが、ペナント終盤からポストシーズンにかけて好投を続けている。ソフトバンク戦にも一度登板しており、その際は1回を三者凡退に抑えた。
勝利投手となったファーストステージ第3戦では、6回無死1塁の状況でマウンドに上がり、メヒア、山川、浅村と続いたクリーンナップをしっかりと抑える好リリーフ。ファイナルステージでも早めの継投が必要になる場面は十分考えられるだけに、先発とハーマン、福山、松井裕の「方程式」をつなぐ重要な存在として、その活躍に期待がかかる。