ニュース 2017.10.20. 16:30

10月19日、プロ野球は3試合あった…?ツイッターで“伝説の試合”再現

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「10.19」、近鉄を襲った悲劇…(C)KYODO NEWS IMAGES

「#ここだけ29年前の川崎球場」


 「吹石が打った!」「水上ファインプレー!」「オグリビー、三振!」

 広島と福岡でクライマックスシリーズの戦いが行われていた10月19日、Twitter上では“あるはずのない”この2会場以外の試合の模様がたくさんつぶやかれていた。

 それらのツイートには、すべて『#ここだけ29年前の川崎球場』というハッシュタグがつけられている。そう、彼らは1988年の10月19日に川崎球場で行われた“伝説の一戦”、ロッテ-近鉄の試合の模様を実況していたのだ。


球史に残る伝説の一戦


 往年のプロ野球ファンにとって「10.19(じゅってん・いちきゅー)」と言えば特別な一日。1988年の10月19日に川崎球場で行われた、ダブルヘッダーのロッテオリオンズ-近鉄バファローズの激闘のことだ。

 この時、近鉄は連勝すれば優勝が決定。しかし、ひとつでも負けか引き分ければ先に全日程を終えていた西武が優勝というまさに大一番。第1戦は近鉄が8回に2点のビハインドを追いつくと、追い込まれた9回二死から代打の梨田が起死回生の勝ち越し打。初戦を4-3でものにし、第2戦へと夢を繋ぐ。

 しかし、その第2戦は4-4で延長戦へ突入。本来であれば延長は12回までとなるのだが、当時のリーグ規定には「ダブルヘッダーの際は試合時間が4時間を超えた場合、新しいイニングには入らない」という規定があった。試合途中に判定を巡る抗議で時間がかかったこともあり、10回表の近鉄の攻撃が終わった時点で無情にもタイムリミット。10回裏をゼロで抑えるも11回の攻撃はやって来ることなく、4-4の引き分け。近鉄の優勝は潰えた。

 喜怒哀楽が詰まった濃密すぎる2試合。今なおプロ野球史上最高の試合、または名場面として語り継がれる伝説の戦いである。


 当時多くの野球ファンの心を揺さぶった激闘は、約30年経っても色褪せることなく、それどころか『Twitter』という新たな舞台でその感動と興奮を蘇らせた。

 「学校をサボって球場に見に行った」「あの時はまだ中学生だった」「何でテレビでパ・リーグの試合をやっているのか不思議だった」といった当時を知る人はもちろん、「こういう試合はもう体験できないのかなぁ」「自分が生まれるちょうど1年前だった」という当時生まれていなかった人まで、多くの野球ファンがリアルタイムで行われていない試合に思いを馳せる。

 何年経ってもファンの間で語り継がれる名勝負。今後も「10.19」を超えるような新たなドラマが誕生することをたのしみにしたい。


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