競合でも特攻?それとも単独狙い?
2017年のドラフト会議も目前――。今年は早実の清宮幸太郎に大きな注目が集まり、複数球団の競合は必至とみられている。
しかし、それ故に各球団は1巡目の指名に頭を悩ませることになるだろう。競合するリスクを回避して一本釣りを目指すのか、それとも競合覚悟で欲しい選手を獲りにいくのか...。
ここではドラフトが現行の制度になった2008年以降の9年間を振り返り、各球団の1巡目の指名傾向と、抽選となった場合の勝敗を調べてみた。
ロッテ=単独3回:競合6回(3勝3敗)
直近9年における一巡目の抽選結果は五分。昨年は一巡目で田中を外したものの、再抽選で5球団が競合した佐々木千隼を引き当てるなど、抽選の結果だけをみれば6勝3敗と圧巻の数字を残している。
ここ9年の抽選で勝ち越しているのはロッテと西武、中日のみ。その引きの強さを今年も発揮できるか!?
2016年:[競合] 田中正義(×5)⇒ 佐々木千隼(○5)
2015年:[競合] 平沢大河(○2)
2014年:[単独] 中村奨吾
2013年:[競合] 石川 歩(○2)
2012年:[競合] 藤浪晋太郎(×4)⇒ 松永昂大(○2)
2011年:[競合] 藤岡貴裕(○3)
2010年:[競合] 斎藤佑樹(×4)⇒ 伊志嶺翔大(○2)
2009年:[単独] 荻野貴司
2008年:[単独] 木村雄太
日本ハム=単独2回:競合6回(3勝4敗)
「その年の一番」を指名するという球団方針の下で、7度の競合を経験。4球団競合を2度制した過去があるものの、ここ2年は再抽選にも敗れている。今年は清宮の指名が濃厚とみられているが、3年ぶりの交渉権獲得となるのだろうか。
2016年:[競合] 田中正義(×5)⇒ 佐々木千隼(×5)⇒ 堀 瑞輝
2015年:[競合] 高橋純平(×3)⇒ 小笠原慎之介(×2)⇒ 上原健太
2014年:[競合] 有原航平(○4)
2013年:[競合] 松井裕樹(×5)⇒ 柿田裕太(×3)⇒ 岩貞祐太(×2)⇒ 渡辺 諒
2012年:[単独] 大谷翔平
2011年:[競合] 菅野智之(○2)
2010年:[競合] 斎藤佑樹(○4)
2009年:[競合] 菊池雄星(×6)⇒ 中村勝
2008年:[単独] 大野奨太
オリックス=単独6回:競合3回(0勝3敗)
近年は大学・社会人の単独指名が続いているように、即戦力狙いの色が濃い。また、比較的単独での指名が多いのも特徴。ちなみに過去9年で競合は3回あったが、その3回とも交渉権の獲得に失敗している。
今年はすでに田嶋大樹(JR東日本)の指名を明言しているが、西武も田嶋の指名を明言しており5年ぶりの競合は必至の情勢。近年は抽選に良い印象のないオリックスだが、その印象を払拭することはできるのか?!
2016年:[単独] 山岡泰輔
2015年:[単独] 吉田正尚
2014年:[単独] 山崎福也
2013年:[単独] 吉田一将
2012年:[競合] 藤浪晋太郎(×4)⇒ 松永昂大(×2)⇒ 松葉貴大
2011年:[競合] 高橋周平(×3)⇒ 安達了一
2010年:[競合] 大石達也(×6)⇒ 伊志嶺翔大(×2)⇒ 山田哲人(×2)⇒ 後藤駿太
2009年:[単独] 古川秀一
2008年:[単独] 甲斐拓哉
楽天=単独1回:競合8回(3勝5敗)
ここ9年で単独指名は昨年が初めて。田中正義(ソフトバンク)に5球団が集中するなか、藤平尚真を単独で指名することに成功した。
基本的には競合覚悟でドラフトに臨んでおり、2012年から2014年までは3年連続で当たりくじを引いている。再抽選での競合は過去2度あり、いずれも「当たり」を引くなど、くじ引きの結果だけをみれば10戦5勝と五分。今回も競合覚悟で注目株の指名に動くのか?!
2016年:[単独] 藤平尚真
2015年:[競合] 平沢大河(×2)⇒ オコエ瑠偉
2014年:[競合] 安楽智大(○2)
2013年:[競合] 松井裕樹(○5)
2012年:[競合] 森 雄大(○2)
2011年:[競合] 藤岡貴裕(×3)⇒ 武藤好貴
2010年:[競合] 大石達也(×6)⇒ 塩見貴洋(○2)
2009年:[競合] 菊池雄星(×6)⇒ 戸村健次
2008年:[競合] 野本 圭(×2)⇒ 藤原紘通(○2)
西武=単独6回:競合3回(2勝1敗)
ここ4年は単独指名が続いているが、くじ運も強く、2年連続で6球団競合を制した渡辺SDのゴッドハンドも健在。今ドラフトでは田嶋の獲得を明言しており、オリックスとの競合は確実視されている。渡辺SDの登場はあるのか?!注目だ。
2016年:[単独] 今井達也
2015年:[単独] 多和田真三郎
2014年:[単独] 高橋光成
2013年:[単独] 森 友哉
2012年:[競合] 東浜 巨(×3)⇒ 増田達至(○2)
2011年:[単独] 十亀 剣
2010年:[競合] 大石達也(○6)
2009年:[競合] 菊池雄星(○6)
2008年:[単独] 中崎雄太
ソフトバンク=単独3回:競合6回(3勝3敗)
一昨年は高校No.1投手と呼ばれていた高橋純平を引き当て、昨年は大学No.1投手と評価されていた田中正義の交渉権を5球団競合の末に手にするなど、2年連続で競合を制してきた。
将来性を見据えた路線色が強い中、高校生タレントが揃う今ドラフトの指名にも注目が集まる。
2016年:[競合] 田中正義(○5)
2015年:[競合] 高橋純平(○3)
2014年:[単独] 松本裕樹
2013年:[競合] 松井裕樹(×5)⇒ 杉浦稔大(×2)⇒ 加治屋蓮
2012年:[競合] 東浜巨(○3)
2011年:[単独] 武田翔太
2010年:[競合] 斎藤佑樹(×4)⇒ 山下斐紹
2009年:[単独] 今宮健太
2008年:[競合] 大田泰示(×2)⇒ 巽 真悟