ニュース 2017.11.06. 17:00

“変革”の秋…新境地開拓に挑む男たち

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井口新監督が見守る中、三塁のポジションでノックを受ける鈴木大地(C)KYODO NEWS IMAGES

鈴木大地は2年連続のコンバート


 日本シリーズも終わり、いよいよ本格的なシーズンオフが到来。各チームが秋季キャンプを張り、来季へ向けた準備をはじめている。

 春よりも厳しく、“地獄の秋”とも評される秋季キャンプだが、どうしてもメディアへの露出という点では春よりも劣る。しかし、その中で来季を見据えた大きな変革に乗り出すチームも多い。

 なかでも話題を集めるのが守備位置の転向、いわゆるコンバートだ。この秋も各地で新たな挑戦が行われている。

 井口資仁新監督が就任したロッテでは、キャプテン・鈴木大地が三塁に挑戦している。もとは遊撃手だったが、今季から二塁に転向。新ポジションで全143試合に出場したが、これで2年連続のコンバートとなる。

 また、これにより今季主に三塁に入っていた中村奨吾が二塁へ。プロで様々なポジションを経験しながら、鈴木も中村も大学時代の主戦場に戻ることになった。

 遊撃には期待の有望株・平沢大河のほか、今季レギュラーを掴みかけた三木亮、さらにはドラフト2位で社会人・トヨタ自動車から即戦力の藤岡裕大を獲得。内野のポジション争いから目が離せない。


未完の大砲、再スタート


 また、今季11年ぶりのBクラスに終わった巨人では、将来の大砲候補・岡本和真の三塁再転向が進められている。

 ケーシー・マギーや村田修一の存在もあって今季から左翼に挑戦していた岡本だが、このオフに村田が退団したこともあって再び内野へ。秋のキャンプでは三塁の位置で練習を行っている。

 2014年のドラフト1位で入団して早3年…。未だ一軍出場は35試合に留まり、本塁打は1年目に放ったプロ1号以来出ていない。そろそろ結果が欲しい4年目のシーズンは、慣れ親しんだ三塁で勝負に挑む。

 そして巨人ではもう一人、捕手の宇佐見真吾が一塁の守備練習を行うシーンがみられた。

 今季は代打をメインに21試合の出場と限られた出番のなかで打率.350、4本塁打をマーク。1年目から持ち味の打棒を発揮した。本格的なコンバートではないようだが、困った時のオプションのひとつとしての構想が垣間見える。


“虎の浅村”誕生なるか…?


 最後に、金本知憲監督3シーズン目の阪神も変革を進行中。なかでも大きなトピックとなっているのが、大山悠輔の二塁挑戦だ。

 ドラ1ルーキーとして挑んだ今季は一塁をメインに左翼、三塁、そして二塁と様々なポジションで出場した大山。もともと三塁が本職であったが、チームには鳥谷敬という高い壁があり、一塁はどうしても外国人選手との兼ね合いにもなってくる。

 二塁は上本博紀が115試合に出場したものの、年間で計7人が守るなど固定できたとは言い難い状況。打撃に定評のある大山が二塁にハマれば、さらなる得点力アップへの期待も高まる。早くも「虎の浅村(栄斗/西武)になれ!」という声も挙がっているが、新境地を開拓することはできるだろうか。

 また、投手陣でもリリーフ陣を支えた岩崎優に先発再転向の構想が持ち上がっている。

 今季は66試合に登板し、防御率2.39と好投。貴重な左のリリーフとしてチームを支えてきたが、その一方で充実したブルペン陣とは対照的に先発陣はメッセンジャーや秋山拓巳につづく人材が不足。枚数不足に悩まされた先発陣の救世主として、岩崎には新たな期待がかかる。

 日本シリーズは終わったばかりだが、そこまで勝ち進むことが叶わなかったチームは我先にと来季へ向けた戦いをはじめている。1年間戦ってきた収穫と課題を手に、チームの再構築へ…。その第一歩が秋季キャンプなのだ。

 果たして、この秋に蒔かれた種はどういった形で花を咲かせるのか。答えは、1年後のお楽しみとなる。



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