2メートル超え右腕、来日
日本ハムは13日、前ミネソタ・ツインズのマイケル・トンキン投手と来季契約合意に至ったことを発表した。
トンキンは27歳の右腕で、なんといっても201センチの高身長がプロフィールの中でも目を引くポイントだ。クリス・マーティンが退団となっただけに、「来季の巻き返しに向け、リリーフ投手陣の強化は絶対不可欠」と栗山監督。「勝ちパターンのゲーム終盤に力を発揮してくれることを大いに期待します」と、指揮官も大きな期待を寄せている。
近年は助っ人外国人選手の“高身長化”が進み、2メートルを超える選手というのも珍しくなくなってきたプロ野球界。「直近3年間」「身長195センチ以上」「リリーフ投手」という条件で絞ってみても、これだけの名前が挙がる(下記参照)。
【直近3年間の長身助っ人リリーフ】
205センチ キャム・ミコライオ(2016年・楽天)
203センチ ローガン・オンドルセク(2015~16年・ヤクルト)
203センチ クリス・マーティン(2016~17年・日本ハム)
201センチ マイケル・クロッタ(2015年・日本ハム)
200センチ フィル・クライン(2017年・DeNA)
200センチ エルビス・アラウホ(2017年・中日)
198センチ ミッチ・ライブリー(2015年・日本ハム)
196センチ マイク・ブロードウェイ(2016年・DeNA)
195センチ スティーブ・デラバー(2016年・広島)
195センチ ラファエル・ドリス(2016~17年・阪神)
195センチ ブライアン・シュリッター(2017年・西武)
特に日本ハムは高身長助っ人を好む傾向があり、2014年から15年はクロッタ、2016年から今年までマーティン、そして来季からはトンキンと、途切れることなく2メートル超え投手が在籍している。
上でも触れたように、トンキンはマーティンの穴を埋める存在となれるのか…。逆襲を期す来季の日本ハムにとって重要な要素となってくる。
偉大なマーティンの成績
マーティンは2年間で92試合に登板。2勝2敗22セーブ・48ホールド。防御率1.12という成績を残した。
走者を背負った際のクイックに難があり、また来日1年目にはボークを宣告された時のマウンド上で怒り狂う様子が話題にもなったが、数字を見るとかなり優秀。なかでもズバ抜けていたのが、剛球を巧みに操る“制球力”である。
カッカしているイメージが強い方は想像がつかないかもしれないが、マーティンは2年間通算で88回1/3を投げ、与えた四球はわずか13。1試合(27アウト)を投げても1個程度という換算になる。
それでいてイニング数を上回る奪三振91を記録しており、投手の能力を図る指標のひとつ「K/BB(奪三振/与四球)」は7.00。一般的には3.50を超えると優秀とされるなか、破格の数値を叩き出しているのだ。
四球が少なく三振が多いということは、それだけ無駄なリスクを背負わず、かつ安全にアウトが重ねられているということ。これはリリーフ投手が活躍するための大きなポイントと言えるだろう。
トンキンはマイナーで通算287試合・486回1/3を投げ、K/BBは4.19をマーク。今季も31試合・41回1/3を投げて61奪三振、与四球は13。K/BBは4.69とやはり優秀な成績を残している。マーティンと比較するとやや四球は多いものの、高い奪三振力でカバー。能力的には申し分ない。
あとは日本の野球に馴染めるかどうか。本人は「北海道の素晴らしさ、温かいチームの雰囲気、そしてファンの皆様の大きな支えがあることを、日本でプレー経験のある複数の選手より耳にしています。ファイターズの一員として札幌ドームのマウンドに立つことが、今から本当に楽しみです」とコメントしており、日本でのプレーに前向きな様子が伺える。
マーティンの退団、そして増井浩俊のFA権行使で揺れるなか、トンキンは日本ハムの救世主となれるか。来季を左右しかねない重要なポイントになる。