◆ 一流選手の証
選手の入・退団をはじめ、なにかと人の往来が多くなるオフシーズン。各チームとも来季の契約更改を進めているが、年俸の上下とともに背番号の変更も発表される。なかでも活躍した若手選手は、それまでの背番号から“出世”するケースも多く見られる。
一流選手の証ともいえる1ケタの背番号。選手にとってはひとつのステータスとなるが、一方でチームの顔として見られるだけにその責任はいままで以上に重大だ。それゆえ、背番号が変更された初年度のシーズンは重要な意味を持つことになる。
そこで、今回は背番号が『1ケタ番号』に替わった選手たちの初年度のシーズン成績について調べてみた。
◆ 1ケタを掴んだ男たち
今回対象としたのは、過去3年(2014年オフ~2016年オフ)のデータ。この間に背番号を1ケタに替え、2017年シーズン終了時点でもその番号を付けている選手は21人(移籍選手、引退選手は除く)となっている。まずは、背番号1番から5番までの選手を見てみよう。
▼ 背番号1
山田哲人(ヤクルト)
☆背番号「23」→「1」(2015年オフ)
[2015年] 143試 率.329(557-183) 本38 点100 盗34
[2016年] 133試 率.304(481-146) 本38 点102 盗30
斎藤佑樹(日本ハム)
☆背番号「18」→「1」(2016年オフ)
[2016年] 11試(23.2回) 0勝1敗 14奪三振 防御率4.56
[2017年] 6試(28回) 1勝3敗 14奪三振 防御率6.75
▼ 背番号2
杉谷拳士(日本ハム)
☆背番号「61」→「2」(2015年オフ)
[2015年] 84試 率.295(166-49) 本1 点12 盗8
[2016年] 62試 率.240(104-25) 本0 点9 盗4
田中広輔(広島)
☆背番号「63」→「2」(2015年オフ)
[2015年] 141試 率.274(543-149) 本8 点45 盗6
[2016年] 143試 率.265(581-154) 本13 点39 盗28
▼ 背番号3
浅村栄斗(西武)
☆背番号「32」→「3」(2016年オフ)
[2016年] 143試 率.309(557-172) 本24 点82 盗8
[2017年] 143試 率.291(574-167) 本19 点99 盗5
角中勝也(ロッテ)
☆背番号「61」→「3」(2016年オフ)
[2016年] 143試合 率.339(525-178) 本8 点69 盗12
[2017年] 110試合 率.269(383-103) 本8 点44 盗6
▼ 背番号4
川島慶三(ソフトバンク)
☆背番号「35」→「4」(2016年オフ)
[2016年] 20試 率.125(40-5) 本0 点3 盗0
[2017年] 81試 率.264(110-29) 本5 点13 盗2
岡島豪郎(楽天)
☆背番号「27」→「4」(2016年オフ)
[2016年] 127試 打率.252(420-106) 本6 点35 盗7
[2017年] 111試 打率.260(342-89) 本3 点32 盗3
▼ 背番号5
西野真弘(オリックス)
☆背番号「39」→「5」(2016年オフ)
[2016年] 143試 率.264(538-142) 本2 点33 盗16
[2017年] 100試 率.234(282-66) 本2 点21 盗8
やはり背番号変更は活躍した翌年という場合がほとんどで、周囲のマークもきつくなることから成績は下がることの方が多い。
成績が上がったというとソフトバンクの川島慶三が故障からの復活を果たし、今季はスーパーサブとして渋い活躍。日本シリーズではチームを日本一に導くサヨナラ打を放った。
また、ヤクルトの山田哲人は打率こそ下げたものの、厳しいマークの中で高水準の数字を残し、2年連続でトリプルスリーを達成している。
◆ 出世番号は…?
続いて6番から9番。
▼ 背番号6
白崎浩之(DeNA)
☆背番号「29」→「6」(2015年オフ)
[2015年] 81試 率.225(204-46) 本6 点9 盗2
[2016年] 92試 率.207(203-42) 本6 点12 盗0
▼背番号7
中村 晃(ソフトバンク)
☆背番号「60」→「7」(2014年オフ)
[2014年] 143試 率.308(571-176) 本4 点61 盗10
[2015年] 135試 率.300(506-152) 本1 点39 盗7
▼ 背番号8
西川遥輝(日本ハム)
☆背番号「26」→「8」(2014年オフ)
[2014年] 143試 率.265(555-147) 本8 点57 盗43
[2015年] 125試 率.276(442-122) 本5 点35 盗30
近藤健介(日本ハム)
☆背番号「54」→「8」(2015年オフ)
[2015年] 129試 率.326(435-142) 本8 点60 盗6
[2016年] 80試 率.265(257-68) 本2 点27 盗5
明石健志(ソフトバンク)
☆背番号「36」→「8」(2016年オフ)
[2016年] 47試 率.230(135-31) 本0 点16 盗6
[2017年] 103試 率.279(290-81) 本1 点23 盗5
中村奨吾(ロッテ)
☆背番号「23」→「8」(2016年オフ)
[2016年] 108試 率.201(278-56) 本6 点25 盗4
[2017年] 85試 率.275(280-77) 本9 点32 盗11
▼ 背番号9
柳田悠岐(ソフトバンク)
☆背番号「44」→「9」(2014年オフ)
[2014年] 144試 率.317(524-166) 本15 点70 盗33
[2015年] 138試 率.363(502-182) 本31 点99 盗32
1ケタ後半では、「9」を掴み取ったソフトバンクの柳田悠岐が背番号変更後に大爆発。トリプルスリーを達成するなど、一気にスターダムを駆け上がっていったのが印象的だ。
ちなみに、2018年シーズンから1ケタ番号を背負う選手には桑原将志(DeNA/37→1)や外崎修汰(西武/44→5)、安部友裕(広島/60→6)、木村文紀(西武/51→9)らがいる。彼らが2018年にどんな成績を残すのか、注目だ。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)