『得点圏打率』に注目
今季のリーディングヒッターといえば、パ・リーグが西武の秋山翔吾、セ・リーグはDeNAの宮崎敏郎。ともに初めての首位打者獲得となった。
両リーグで最も高い打率を残したこの2人も、“得点圏”に限ると順位が変わる。秋山の得点圏打率は.318でリーグ5位、宮崎は.291で同12位まで下がってしまうのだ。
では、ここで今季の得点圏打率ランキングを見てみよう。
【得点圏打率ランキング】
<パ・リーグ>
1位 .379 柳田悠岐(ソフトバンク/率.310)
2位 .369 銀 次 (楽天/率.293)
3位 .344 源田壮亮(西武/率.270)
4位 .326 デスパイネ(ソフトバンク/率.262)
5位 .318 秋山翔吾(西武/率.322)
<セ・リーグ>
1位 .350 マギー (巨人/率.315)
2位 .342 倉本寿彦(DeNA/率.262)
3位 .336 安部友裕(広島/率.310)
4位 .326 筒香嘉智(DeNA/率.284)
5位 .323 大島洋平(中日/率.313)
パ・リーグでは、打率2位の柳田が逆転で首位。得点圏の.379は打率.310を6分9厘も上回っている。状況別で見ると、『満塁』では打率.200(5-1)と微妙だったが、相手も神経を使う『一・三塁』で打率.533(15-8)とよく打った。
セ・リーグでは、巨人のマギーがトップ。こちらも通常の打率がリーグ2位だった選手が逆転首位に立っている。マギーは特に『満塁』で強さを発揮しており、打率.538(13-7)で1本塁打、15打点と満塁男ぶりをいかんなく発揮した。
その他では、通常の打率ランキングでは上位に入っていない選手の躍進が見逃せない。パ・リーグでは新人王に輝いた源田がリーグ13位の打率ながら得点圏では3位にランクイン。セ・リーグでは打率.20位の倉本が2位にランクインしている。
真の“チャンスに強い”男
倉本や源田のように、打率はそこそこでも得点圏で変わり身を見せる選手というのは他にもいる。今回はそんな選手を探すべく、得点圏打率から通常の打率を引いた差をランキングにしてみた。
【得点圏打率-打率ランキング】
<パ・リーグ>
1位 .076 銀 次 (楽天/得.369-率.293)
2位 .074 源田壮亮(西武/得.344-率.270)
3位 .069 柳田悠岐(ソフトバンク/得.379-率.310)
4位 .064 デスパイネ(ソフトバンク/得.326-率.262)
5位 .036 松本 剛(日本ハム/得.310-率.274)
<セ・リーグ>
1位 .080 倉本寿彦(DeNA/得.342 率.262)
2位 .047 阿部慎之助(巨人/得.309 率.262)
3位 .042 筒香嘉智(DeNA/得.326 率.284)
4位 .035 マギー (巨人/得.350 率.315)
5位 .027 福留孝介(阪神/得.290 率.263)
パ・リーグでは、得点圏打率上位の柳田や銀次、源田、デスパイネというところが順当に入ったが、トップ5の一角を崩したのが日本ハムの松本。上位4人とは少し話されているものの、今季ブレイクした新星が名を連ねた。
一方のセ・リーグでは、倉本が両リーグトップの数字をマークしたなか、離れた2位に巨人の阿部が新たにランクイン。打率.262は物足りなかったが、それでも頼れるところは見せていることがわかる。
真の“チャンスに強い男”とは…。来季も得点圏打率だけでなく、通常の打率との開きにも注目だ。