「なんとしても来てもらいたい」
DeNAは4日、横浜市内の球団事務所で阪神からFA移籍した大和の入団会見を行った。
会見に同席した高田繁GMは、「我々はあまりFA選手でチームを強くしようとして来なかったんですが、今回はなんとしても来てもらいたいと思って手を挙げた」とコメント。「かなり悩んでいたようですけども、来てくれることになって良かった」と喜びを語った。
大和の印象については「とにかく守備が上手な選手で、内野も外野もこなせる。ショートでもセカンドでもゴールデングラブ賞を取れるレベルだと思っています」と持ち味である守備力を絶賛。「打つ方も今年からスイッチヒッターに転向して、短期間できちっとモノにした。うちの打線は左が多いので、その点も大きな魅力」と大きな期待を寄せる。
「優勝を狙っていくうえで良い補強」
獲得に至った経緯については、「一年間戦ってきて、ラミレス監督も本来なら調子の悪い選手を入れ替えたいところを、選手の層が薄かった。その印象がずっとあったので、優勝を狙っていくうえで良い補強になったと思う」と説明した。
高田GMは大和の獲得に乗り出した際と同じく、「層が薄い」という言葉をこの日の会見でも使った。たしかにセカンドは固定することができなかったものの、ショートにはプロ3年目の倉本寿彦がいる。今季は全143試合に出場を果たしており、ラミレス監督からの信頼も厚い選手だ。
しかし、2年連続でクライマックスシリーズに進出し、19年ぶりの日本シリーズ出場を果たしたチームが次に目指すのは優勝、そして日本一の栄冠である。成長を続けるチームがさらに一歩前に進むために、欠けていたピースが『内野に競争をもたらしてくれる存在』だった。
シーズン通して全試合に出場した倉本ではあるが、“不動のレギュラー”としては物足りない数字であったことは確か。高田GMはそこで倉本を脅かすような存在がいなかったこと、競争心を煽るような編成ができていなかったことを謝罪するコメントも出している。
そこで、「ショートもセカンドもゴールデングラブ級」という大和の獲得である。内野陣の競争心を煽るうえでは、まさにうってつけの存在なのだ。ポジション争いという意味でのライバル関係はもちろんのこと、“生きたお手本”としてその守備を若手に見せることもできる。いきの良い若手選手が多いチームにとって、名手の加入がもたらす効果は計り知れない。
「1点を取るプレーも大事だけれど、同じくらい走者を先に進めない、1点を防ぐというプレーも重要。守備の名手ですから、あとは打率.250あればいい勝負になる」と高田GMは語った。
3年目を迎えるラミレスDeNAの起爆剤へ…。背番号「9」にかかる期待は大きい。