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大谷争奪戦、14球団が早くも脱落…失恋のNYメディアからは“恨み節”

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メジャー挑戦を表明している大谷翔平(C)KYODO NEWS IMAGES

“落選”チームが早くも…


 ポスティングシステムでのメジャー挑戦を目指している大谷翔平の周囲が賑やかになってきた。

 いよいよ交渉が解禁された日本の至宝であるが、球団との面談を前に移籍候補から“落選”したチームが次々と判明。大きな話題となっている。複数の現地報道をまとめると、面談のチャンスが与えられなかったのは以下の通り。

【“落選”を公言したチーム】
・ヤンキース(ア/東)
・レッドソックス(ア/東)
・ブルージェイズ(ア/東)
・レイズ(ア/東)
・ツインズ(ア/中)
・ホワイトソックス(ア/中)
・アスレチックス(ア/西)
・ブレーブス(ナ/東)
・ナショナルズ(ナ/東)
・メッツ(ナ/東)
・パイレーツ(ナ/中)
・カージナルス(ナ/中)
・ブリュワーズ(ナ/中)
・ダイヤモンドバックス(ナ/西)

 ア・ナ東地区のチームを中心に、上記の14球団は面談を行わない旨を通告されたという。

 逆に交渉のチャンスを与えられたチームはマリナーズ(ア/西)、ジャイアンツ(ナ/西)、レンジャーズ(ア/西)、パドレス(ナ/西)が現時点で有力視されている。


パドレスが“大谷招へいチーム”を結成!?


 ここからは現地報道のなかでも、よりその地区に特化したものを取り上げてみる。

 まずは、チームの新たなエースとして大谷を迎えたいレンジャーズ。地元紙『ダラス・モーニング・ニュース』のエバン・グラント記者は、マリナーズ以外の有力候補とされるジャイアンツとパドレスについて、「これらのチームはナ・リーグで、二刀流を続ける大谷が満足するほど打席に立つチャンスを与えることは非常に難しい」と見込みが薄いことを予想。「レンジャーズは6年間を費やして大谷との関係を築いてきた」と、レンジャーズが面談の機会を得てさらにアピールできることを期待した。

 また『シアトル・タイムズ』のライアン・ディビッシュ記者は、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが「大谷は西海岸のチームかスモールマーケットのチームを望んでいるのではないか」と触れた部分を取り上げ、「ということは、マリナーズのようなチーム?」と反応を示し、マリナーズがこのオフ大谷の獲得を何よりも優先としていること、大谷獲得のプロセスで最高のアピールが出来るよう努めていることを挙げた。

 また、パドレスの地元紙『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』は、ある情報筋から同紙が得た情報として、パドレスが面談を許された「数少ないチームの一つ」と報道。「パドレスがいつ大谷と面談できるのかはわからないが、チームは大谷によく精通しているメンバーを(面談の行われる)ロサンゼルスに送るだろう」と自信を見せる。

 その“メンバー”とは、「日本人メジャーリーガーの先輩であるヒデオ・ノモとタカシ・サイトウ、そして5年前にドジャースの一員として大谷をリクルートしていた幹部のローガン・ホワイトとエーシー・コオロギ、さらに元ファイターズのトレーナーで、サイエンス・ディレクターのセイイチロウ・ナカガキ、極めつけは2007年にファイターズでプレーしたアンディ・グリーン監督」と紹介し、大谷にとってなじみ深い顔ぶれで獲得に向かう可能性を示唆した。

 また、「成功はしなかったが」と付け加えながら、パドレスにはすでに投打の“二刀流”としてクリスチャン・ベタンコートを起用した例があることにも触れている。


「なんてチキン(臆病者)なんだ!」


 早々と“落選”を認めたチームと、ひとまず次のステージへ進んだチームが見えてきたなか、どちらとも明言していないチームがある。それがともにロサンゼルスを本拠地としているドジャース(ナ/西)とエンゼルス(ア/西)だ。

 特にドジャースはダルビッシュ有と前田健太という2人の日本人メジャーリーガーを抱えていることで大きな注目が集まっているが、地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』は、ドジャースもエンゼルスも何の発表もなかったことに触れ、「ニュースがないということは、いいニュース」と、両チームが大谷獲得へ一歩進んだことを予想している。

 エンゼルスに関しては、「おそらく、投げない日はDHで出場できるということ、マイク・トラウトと一緒にプレー出来るということ、ディフェンス力がずば抜けていいチームであるということ、そして日本人の人口が多い地域であることを売りとするだろう」とアピール要素を取り上げ、加えてDHで出場する機会の多いアルバート・プホルスが故障の心配がない状態でハードな練習を続けており、来季は一塁を守る機会が増やせそうなことにも触れた。さらに、エンゼルスは新協定が発行される前日にトレードを成立させており、25歳以下の外国人選手との契約余剰金を増やしたという。

 一方でドジャースは契約余剰金が30万ドルしかないものの、日本人メジャーリーガーのパイオニアである野茂英雄から前田健太、ダルビッシュ有までチームと日本人選手との関わりが多いこと、大谷が高校生の時に契約締結に近づいていたこと、今年の8月には編成部門取締役のアンドリュー・フリードマンと選手人事課のギャレン・カー、元ドジャースの伝説の名投手オーレル・ハーシュハイザーらが大谷の視察に行くほど熱心にアプローチしたことを紹介した。


 早くも全米を巻き込む形で話題になっている“大谷狂想曲”。多くのチームが大谷獲得へ向けて夢をふくらませるなか、半数近くのチームがこんなにも早い段階で“落選”となってしまったことも事実である。

 特に大谷獲得レースの最有力とも目されていたヤンキースは、早すぎる“失恋”にショックを隠しきれない様子。これにはニューヨークのタブロイド紙『ニューヨーク・デイリーニュース』は怒り心頭で、現地4日付けの紙面の表紙に大谷の写真を大きく掲載し、「なんてチキン(臆病者)なんだ」と見出しを付けて報道。そして「日本のスターはヤンキースを退けた。大都市を恐れて」と精いっぱいの嫌味を放った。

 なにはともあれ、大谷のメジャー挑戦は着実に進んでいる。面談形式での入団交渉は現地4日(日本時間5日)にもスタートすると見られており、交渉する球団も少なくなったことから想定以上の早期決着となることも予想される。

 果たして、大谷翔平は夢への第一歩をどこで踏み出すのか。今後の展開から目が離せない。


文=山脇明子(やまわき・あきこ)


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