ヤンキースへ移籍するスタントン

◆ スタントンがヤンキースへ

 日米で注目度の高かった大谷翔平の移籍先が異例のスピード決着に終わった。大谷のハートを射止めたのは、ダークホースとみられたロサンゼルス・エンゼルス。大谷移籍のニュースは、日本だけでなく、現地MLB公式サイトなどでも大々的に報じられ、注目度の高さをうかがわせた。

 その“大谷狂想曲”の裏で大きな移籍のニュースもあった。大谷移籍先決定の報道から遅れること30数時間。ニューヨーク・ヤンキースがマイアミ・マーリンズの主砲・ジャンカルロ・スタントンをトレードで獲得したという一報が舞い込んだ。

◆ ジャッジと新たにタッグを組む

 昨季59本塁打を放ち、ナ・リーグ本塁打王に輝いたスタントンと新人ながら52本塁打でア・リーグ本塁打王に輝いたアーロン・ジャッジが新たにタッグを組む。メジャー屈指のパワーを誇り、何かと比較されてきた2人が名門ヤンキースで強力打線の中心を担うことは相手投手にとって大きな脅威となるだろう。

 まだ気は早いが、もし来季も2人そろって50本塁打以上マークすれば、1961年のミッキー・マントル(54本)とロジャー・マリス(61本、ともにヤンキース)以来、メジャー史上2組目となる。2年連続での大台到達は決して簡単ではないが、本拠地は本塁打が比較的出易いヤンキースタジアム。そろってフル出場できれば、可能性は十分にあるだろう。

◆ 守備位置と打順はどうなる

 気になるのが、2人の守備位置が同じ右翼手という点だ。スタントンはメジャー通算で942試合、8260イニングの守備に就いているが、右翼以外の経験は、2011年に中堅手として1試合、1イニング守ったのみ。一方のジャッジも16年にデビューしてから、メジャー通算168試合、1454回2/3の守備に就いているが、すべて右翼手として出場している。2人は、マイナー時代を含めても右翼以外はほとんど守っていない。

 スタントンの獲得は打撃面を見れば、大きな戦力アップとなるが、守備面ではどちらかをコンバートするなど工夫が必要になる。最も可能性の高いのが、ジャッジを左翼へコンバートする案だろう。もしくは、2人を右翼手と指名打者で回す起用法もある。他には、どちらかを一塁にコンバートする案も一考の余地がありそうだ。

 また2人の打順も気になるところ。ジャッジは今季、主に2番から6番を担ったが、最も多く務めた打順が3番だった。一方のスタントンはシーズン途中から2番に固定されるようになり、本塁打を量産した。そのため、スタントンは新天地でも2番を希望する可能性が高そうだ。

 新たに就任したアーロン・ブーン監督が2人をどのように起用するのか。守備位置はさておき、攻撃面で2人をどのように生かすのか。新人監督にとっては、贅沢な悩みとなりそうだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。 野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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